呼吸困難&体重18キロ減「危うく命を」 放出で覚醒した25歳…波乱万丈のメジャー人生
パドレスのエストラーダはコロナ重症で体重18キロ減
パドレスのジェレマイア・エストラーダ投手は5月にMLB新記録の13者連続奪三振をマークするなど、今季ここまで19試合に投げ2勝1敗、防御率1.23と好投を続けている。25歳の右腕はプロ入り後、トミー・ジョン手術や新型コロナウイルスに感染し、体重が40ポンド(約18キロ)落ちるなど波乱万丈の人生を送ってきた。
米スポーツ局「ESPN」のオールデン・ゴンザレス記者が「彼は今シーズンで最も予想外のサクセスストーリーの一人として知られるようになった」とエストラーダの活躍を記事にしている。
2017年のドラフト6巡目(全体195位)でカブス入り。しかし、2021年8月に新型コロナウイルスに感染し、救急搬送された。味覚と嗅覚が無くなり、記憶力も低下。同メディアは「危うく命を落とすところだった」と説明した。1日に3時間以上眠ることができず、病院はエストラーダの父へ「(息子さんの)容態がかなり悪い。(改善されなければ)あと1日ぐらいしか残されてないかもしれない」と連絡をしたという。
その後は持ち直し、帰宅許可が下りたが、嗅覚は6週間、味覚は1年間元に戻らなかった。2022年のスプリングトレーニングでは、わずか10分のランニングで「翌日は動けなかったよ」と本人は語る。
カブスは2023年の11月1日、偶然にも彼の25歳の誕生日の夜にエストラーダをアウトライトで放出した。その5日後、パドレスが獲得。それが転機になった。ルーベン・ニエブラ投手コーチとバイオメカニックス研究所で試行錯誤を続け、チッターと呼ばれるスプリット・チェンジアップを開発。ニエブラコーチは当時、エストラーダがチッターをコントロールできるとは思っていなかった。しかし、「彼が投げた80マイル台半ばのボールは、破壊的な落ちと曲がりがあった」と言及した。
同メディアの取材に対し、エストラーダは「このために必死に頑張ってきた」「この状況にたどり着くために、多くの困難を乗り越えてきた。でも、まだ闘っているような気がする」と語っていた。
(Full-Count編集部)