西武株主総会で異例の“球団質問続出” 最下位に悲痛な叫び「勝てる監督を選んで」

埼玉・所沢市内で開催された西武株主総会【写真:宮脇広久】
埼玉・所沢市内で開催された西武株主総会【写真:宮脇広久】

3月に行われたOB戦「清原和博氏を許して迎え入れてほしい」

 埼玉西武ライオンズの親会社である西武ホールディングスが21日、埼玉・所沢市内で株主総会を開催。今季パ・リーグ最下位に低迷し、松井稼頭央監督が45試合消化時点の5月26日から休養している球団の現状について、例年以上に数多くの質問が飛んだ。

 株主の一人は、今年3月16日に行われた球団初のOB戦について質問。「清原和博氏、松坂大輔氏が出場しなかったのは残念だった。特に清原氏については、西武がコンプライアンスを大事にしていることは理解しているが、私は執行猶予期間も終わっているし、いい加減に許してやれよという立場。許して迎え入れてほしい」と、提案を含めて声を上げた。

 これに対して奥村剛球団社長は「今後またこういった機会を考えており、その際は株主様からご意見をいただきました件を含めて、しっかりいい形で皆様にご披露できるように行っていきます」と回答した。また、昨年オフにソフトバンクへFA移籍した山川穂高内野手についても質問が続出。奥村社長は「これからも適正に対応してまいります」と語るにとどめた。

 他にも「マスメディアに公開していない情報を、選手と個人的につながりのある一部の支援者がソーシャルメディアで、選手から聞いた情報として公開している」と指摘する株主もいた。奥村社長が「私どもが発信したことのない情報が、一部漏れていることは事実。もう1度原点に戻り、情報管理徹底したい」と認める一幕もあった。

2007年の改革→翌年の日本一を振り返り「もう1回改革をやる」

 その後もチームの低迷をうけて、株主から「OBにこだわらず、勝てる監督を選んでください」「せめて(西武の球団買収から)50周年の2028年に優勝、日本一になれるように着実に補強してほしい」「キャンプが短いのではないか?」「コーチ陣が1、2軍の入れ替えにとどまり、新しい血を入れていない」などと悲痛な提案や懇願が相次いだ。奥村社長は「シーズン成績が振るわず、ご心配をおかけし、ご期待に添えず申し訳ありません」と何度か繰り返し、頭を下げた。

 質疑応答の最後には、後藤高志球団オーナー(取締役会長兼CEO代表取締役)がマイクの前に立ち、「昨シーズンは5位。今シーズンは今のところ最下位。非常に厳しい状況で、オーナーとして責任を痛感しています」と謝罪した。

 そして、球団が2007年不祥事に揺れたのを機に、改革委員会を設け、「埼玉西武ライオンズ」として地域密着を進めるなど、改革を断行した前例を紹介。「もう1回、そういうことをやっていかなければならない」と明言した。チームは翌2008年、日本一に輝いている。後藤オーナーは最後に「もう1回改革をやり、常勝軍団を取り戻す。私も先頭に立ってやってまいりたい」と力を込めた。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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