守護神6回投入に代打の代打 ド軍監督、執念タクトの舞台裏「早く決める必要が」
勝ち越し機に代打の代打でバーンズ「得点に近づくと思った」
【MLB】ドジャース 4ー3 タイガース(日本時間13日・デトロイト)
常勝・ドジャースの底力を感じさせた。4連敗中とパッとしないチームを動かしたのはデーブ・ロバーツ監督だ。2-3で迎えた6回、マウンドへ送り出したのは守護神エバン・フィリップスだった。
「4日ぐらい投げていない。1点差だったから早い段階で白旗をあげたくなかった。エバンを投げさせることが最善だと思った」
中5日で登板となったフィリップスは2死から走者を出したものの、代打・キースを左邪飛。13球でゼロに抑えた。ズルズルといきそうな展開をきっちり締め、その後の反撃につなげた。
攻撃でも手を打てるだけ打った。同点の9回1死一塁、代打で左打者のアウトマンを送ったが、タイガースは右腕フォーリーから左腕ホルトンにスイッチ。ここではベテラン捕手の右打者・バーンズを代打の代打で送り出した。スミスの控え捕手という立場だが、試合前まで出場6試合連続安打中だった。
「左投手に対してはジェームズ(アウトマン)よりバーンズの方がずっといいと思っていた。(代打の代打で)得点に近づくと思った」
もちろん危機管理をした上でのタクトだ。4連敗中で救援投手は連投続き。先発パクストンが4回途中で降板し、この日も5人のリリーバーを使っていた。「残っていた投手は、10日間投げていなかった投手ただ1人だった。初めて投げた時は良かったけど、バナスコがどういう投球をするか予想できなかった。早く勝負を決める必要があった」と舞台裏を明かした。
今季のサイ・ヤング賞候補に挙がる左腕スクバルに抑え込まれ、劣勢が強いられる中でも勝ち切った。采配を的中させ、ロバーツ監督は「良かったよ。私たちはオールインしている状態だったから、オースティン(バーンズ)をとても評価しなくてはいけない。もちろん、ショウヘイも。選手たちは素晴らしい仕事をしてくれた」と、手放しでナインを称えた。11年連続ポストシーズン進出しているドジャースの強さの理由が分かる一戦だった。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)