2桁本塁打は「数か月前は考えられない」 打率0割台で2軍調整も…清宮幸太郎の逆襲
初回好機で凡退→失策→「絶対やり返す」3回1死一、二塁から10号3ラン
■日本ハム 5ー2 西武(30日・ベルーナドーム)
日本ハムの清宮幸太郎内野手が30日、ベルーナドームで行われた西武戦で決勝の10号3ランを放った。プロ7年目の今季は怪我で開幕に出遅れ、不振での登録抹消も経験したが、7月15日には1割台だった打率も.293と急上昇。「数か月前の僕では考えられない」という3年連続の2桁本塁打に到達した。
ヒーローの顔に笑顔はなかった。初回1死二塁の第1打席は、初球を打ち上げ捕邪飛。直後の守備では、1死一塁から西川のゴロを二塁へ悪送球した。結果的には加藤貴が踏ん張り失点にはつながらなかったが、一、三塁というピンチを招いてしまった。
迎えた挽回のチャンスに奮い立った。3回1死一、二塁。「エラーもしていたので、絶対にやり返すという強い気持ち。初回のチャンスも生かせなかったし、走者が出るけど点が入らないみたいな嫌な感じが続いていたので何とかしたいと思っていました」。高めの直球を振り抜き、右翼席に突き刺した。
今季の1軍初昇格は4月19日。しかし打率は1割を切り、5月6日に2軍調整となった。6月11日に再昇格すると徐々に上昇。7月は月間打率.383と躍動し、8月も.319と好調を維持している。
「ちょっと前までは、10本打てるのかなと思っていた。その時に比べたら、今までちょっとずつやってきた練習の成果が出ているのかなと思います」。そう手応えを口にした清宮。シーズンは残り26試合となっているが、逆襲を見せている。
チームは現在2位で、3位のロッテとは3ゲーム差。2年連続最下位から本拠地でのCS進出へ、負けられない戦いは続く。「本当に大事な試合が続いているので。もっともっと打てればいいと思います」と清宮。そのバットが命運を左右するほど、欠かせない存在となっている。
(町田利衣 / Rie Machida)