復帰後.083でもスタメン起用「何か変えないと」 三浦監督が筒香に寄せる信頼
7回2死二塁から3か月ぶりの7号2ラン…安打も8月27日以来だった
■DeNA 9ー6 阪神(20日・横浜)
DeNAの筒香嘉智外野手が20日、横浜スタジアムで行われた阪神戦に「6番・右翼」で先発出場し、自身3か月ぶりとなる7号2ランを放った。本塁打は実に6月13日のロッテ戦(ZOZOマリンスタジアム)以来で、左肋骨の疲労骨折から復帰後初。復帰後は打率.083(12打数1安打)で安打も8月27日以来の阪神戦(横浜)以来という不振だったが、三浦大輔監督が「何かを変えないといけない」と打った切り札がズバリ的中した。
7-5の7回1死二塁。ビーズリーのカットボールを完璧に捉えると、筒香らしい美しい打球が右翼席に吸い込まれた。横浜スタジアムでのプロ野球興行における1日の最多動員3万3435人が酔いしれた弾道。バットを放り投げて吠えると、本拠地に大歓声がこだました。
「いろいろありますよ。でも勝てればそれでいいと思います」。なかなか安打が出なかったときの心境には言葉を飲み込んだが、苦悩はあった。代打の難しさも痛感。バットも試行錯誤し、あらゆる手段を尽くした。
リハビリ期間中、三浦監督から「頼む」と声を掛けられた。かつては主将を務め、今も強烈なリーダーシップを発揮する。勝負の夏場に、筒香の存在はたとえベンチでも必要だったのだ。呼応するように最後は急ピッチの調整で当初の予定より早く1軍に復帰。チームのためになりたかった。
誰もが待っていた“復帰弾”も「この時期になって誰が打ったとかあまり関係ない話だと思うので、勝てたことが一番じゃないですか」と冷静そのもの。それでも広島と入れ替わって3位に浮上したことには「チームが目指しているものに全員が毎日進んでいくだけ」と言葉に力を込めた。
三浦監督は「毎日いい流れに持っていくためにどうするか。その中でどこかでゴウ(筒香)のスタメンというのが頭にあって、本人とも話はしましたから、それが今日になりました。非常に大きな本塁打を打ってくれましたね」と頭を下げる。残り13試合。精神的支柱に当たりが戻り、チームはさらに加速する。
(町田利衣 / Rie Machida)