126球パ単独トップ14勝も…伊藤大海を「まだ褒めるわけにはいかない」 新庄監督の真意
伊藤大海は9回126球を投げ1失点完投、チームを6年ぶりのAクラスに導いた
■日本ハム 2ー1 楽天(26日・エスコンフィールド)
日本ハムの伊藤大海投手が26日、エスコンフィールドで行われた楽天戦で9回126球を投げ1失点完投。リーグ単独トップの14勝目でチームを6年ぶりのAクラスに導いた。自身初の開幕投手を務めたプロ4年目の今季、キャリアハイをひた走る。新庄剛志監督は「成長しましたもんね、人間として」と“姿勢”を称えた。
信頼は揺るがなかった。2試合連続完封中の右腕は、8回を終えて116球を投じていたが迷わず9回のマウンドに送り出した。「いつも伊藤君が先発のときは9回伊藤君と決めて初回から見ているので」。27個目のアウトを奪うと、笑顔で両手を突き上げた。
「今日のピッチングでファイターズのピッチャーの中で一番野球のうまいピッチャーになりましたね。エースではないです、まだ。彼はもっともっと上を目指せる投手。球界のエースになる素質は十分あるので、まだ褒めるわけにはいかないです」
あえて厳しい言葉をかけたのはもちろん、それだけ期待しているから。「日々のトレーニングとか伊藤君の練習で勝ち取った14勝だと思うんですけど、その前に人間としての成長の14勝だと僕は思っている」と満足げな表情で話した。
では、その“人間としての成長”とは何なのか。「マウンドさばき、球場での態度、取り組み方。キャンプから1番最初に球場に来て、ミーティングも1番前に座って、そういう姿勢、自分が背中で見せようっていうところはあったんじゃないですか。で、成績もついてきて、今度ははっきり背中で見せられる選手になりかけている」。何よりも重視した選手の成長を真っ先に体現した背番号17を、誇らしげにそう絶賛した。
「伊藤君が最後まで、開幕を任せてクライマックスシリーズ(進出)を決めた」と嬉しそうに笑った新庄監督。頼もしく成長した教え子たちとともに、まだまだ旅路は続いていく。
(町田利衣 / Rie Machida)