甲子園のスターが急進化 6年目ドラ1の開花…追い込まれて真価発揮する新打法

ロッテ・藤原恭大【画像:球団提供】
ロッテ・藤原恭大【画像:球団提供】

追い込まれるとノーステップ…藤原恭大の2ストライク時打率は.263の高水準

 ロッテ・藤原恭大外野手は6年目の今季、オープン戦で右膝を骨折した影響もあって出遅れたものの、6月末に1軍昇格。7月に月間打率.322をマークし、後半戦はレギュラーに定着した。昨季からどのような変化があったのだろうか。(数字はすべて9月29日終了時点)

 最も大きな違いは、2ストライクと追い込まれた場面での打撃だ。基本的には右足を上げてタイミングを取るが、今季は追い込まれるとノーステップ打法に切り替え、チームメートの角中勝也外野手を彷彿とさせる構えで投球を待つ。この試みが功を奏し、2ストライク時の打率は.263をマーク。2ストライクは打者にとって不利なカウントで、リーグ平均打率は.174だけに優れた数字だ。

 追い込まれた状況で好成績を残している要因として、ボール球に手を出すことが少なくなった点が挙げられる。2ストライク時のボールゾーンスイング率は、昨季の59.9%(リーグ平均45.3%)から今季は47.8%(同46.2%)と改善が見られる。

 ストライクゾーンのスイング率は昨季よりも上がっており、正確に見極めてスイングをかける傾向がデータに表れている。こうしたアプローチの変化は三振の減少と四球の増加につながり、打率だけでなく出塁率も向上。打撃面全体に良い影響を与えている。

 2ストライク時は打球の6割以上をゴロが占めており、リーグ平均よりも10ポイント以上多い。安打になりにくいゴロ打球が増えることはデメリットにも思えるが、安打になりやすいライナー打球の割合もリーグ平均を上回っている。特徴的なのがフライ打球で、割合こそ少ないものの18打数11安打をマーク。今季放った8本の二塁打のうち、5本は2ストライクから記録したもので、確実性を重視するノーステップ打法でもスイングの強さは失われず、相手バッテリーにとっては脅威だろう。

 大阪桐蔭高では2年春、3年春夏に全国制覇。鳴り物入りで2018年ドラフト1位でロッテに入団した。大きな期待を背負う中、悔しいシーズンが続いていたが、打撃フォーム変更などの試行錯誤が1軍で実を結んだ。24歳の今後の打棒に注目だ。

(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY