ハム日本一への道は「基本的なことができるか」 CS経験したFA戦士が説く短期決戦の心得
日本ハム伏見が1軍復帰…代打で2点適時二塁打を放った
■ソフトバンク 6ー2 日本ハム(29日・エスコンフィールド)
日本ハムは29日、エスコンフィールドで行われたソフトバンク戦に2-6で敗れ、レギュラーシーズンのホーム最終戦を白星で飾ることはできなかった。すでに2位は確定しており、残り5試合を経て10月12日からはクライマックスシリーズ(CS)、ファーストステージが始まる。チームにとって2018年以来6年ぶりとあって経験者は少ないが、オリックス時代に日本シリーズに2年連続で出場している伏見寅威捕手が“短期決戦の心得”を説いた。
FAで昨年からチームに加わった伏見は、オリックスで2021、2022年とリーグ優勝を果たし、CSファイナルステージを勝ち抜き日本シリーズに進出した。初めて短期決戦を経験する若手たちへ、伝えたいことは単純明快だった。
「あまり意識しすぎてほしくないなというところはありますね。みんないい結果が出て、今がある。短期決戦だからって意識しすぎると腕を振れなくなっちゃったり、逆にできないことをやろうとしてしまったりがある。僕としては自分のやれることをやる。それが一番大事だと思います」
普段とは違う緊張感、注目度……。“意識しすぎない”ということは、実は簡単ではないかもしれない。しかし、持っている力をしっかり発揮するためには、普段通りを心掛けることが大事なのだろう。
「当たり前のことができなかったら負けるので。ファインプレーをしなきゃいけないとか、スーパープレーが出なきゃ勝てないとか、そういうわけではない。基本的なことができるかできないかの小さい勝負。バッテリーとしては僕もあまりできないことを要求するのではなく、投手のできることを全力でサポートしたい」と強調した。
腰痛のため19日に出場選手登録を外れていたが、この日最短の10日間で復帰。7回2死一、二塁から代打で出場すると左中間を破る2点適時二塁打を放って大歓声を浴びた。その後はマスクも被って元気な姿をファンに示した。伏見が戻ってきたことは、チームにとって大きい。
「CSに出ることだけではなく、そこで勝ち上がって日本シリーズへ行って、最後まで野球をやりたいと思います」。経験豊富な34歳が、若きチームを引っ張っていく。
(町田利衣 / Rie Machida)