DeNA初代主将の打診を“拒否”…金髪で「クソガキでした」 断り続けた1週間、連日の面談
元DeNAの石川雄洋氏は初代主将打診も「なんで僕なんだろう」
ベイスターズで16年間プレーした石川雄洋氏は、2012年にチーム名が「横浜DeNAベイスターズ」に変わると球団の初代主将に就任した。選手間による推薦で誕生したが、当初は「もっと他に適任がいる」と、就任の打診を1週間断り続けていたという。
「キャンプ中でした。毎日、選手会長の新沼(慎二)さんの部屋に呼ばれて“3者面談”をしていました。そこでずっと『キャプテンをやってみろよ』と」
中畑清新監督とともにスタートした新球団だったが、主将は不在でキャンプイン。第2クールに入ったあたりで新沼会長から“呼び出し”を受け、就任を打診されていた。「(面談に)新沼さんは確定なんですけど、そこにもう1人選手が日替わりでいました。僕にキャプテンをやらせてみては、と考えていた先輩たちで森本稀哲さん、渡辺直人さん、金城龍彦さん……」。
先輩たちからの熱い説得を、石川氏は固辞し続けたという。「当時、僕はまだ25歳のクソガキでした。茶髪や金髪にもしていて。『もっと他に適任がいるんじゃないですか』と。何で僕なんだろうとずっと思っていました。練習中に『今日も来いよ』と言われて。正直、キャンプ中だったので早く寝たいし、自分の時間も欲しかったですし」と当時の心境を語っていた。
最終的に就任を決断したのは、3者面談に中村紀洋が参加した日だった。通算404本塁打を誇る大スラッガーからも「頑張ってやってみたら」と背中を押されたことで、「嬉しかった記憶があります」と腹を括った。第3クールで「DeNA初代キャプテン・石川雄洋」が中畑監督から発表された。
「3者面談では『お前がしっかりして欲しい』とか『俺らがカバーするから』と言ってもらいました。自分でいうのもなんですけど、野球に対しては真面目だったし、練習もしていたと思います。評価してもらったというか、そういうところを見てくれている人がいるんだと思いました」
チームの未来を背負っていく存在として、選手間で選ばれた新球団の初代キャプテン誕生となった。
(湯浅大 / Dai Yuasa)