ド軍12失点大敗…先発が異変も「起用はない」 苦渋の指揮官、救援エース温存は吉か凶か

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督【写真:Getty Images】
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督【写真:Getty Images】

先発フラハティが3回8失点乱調「明らかにキレがなかった」

【MLB】メッツ 12ー6 ドジャース(日本時間19日・ニューヨーク)

 思い切った采配は吉と出るか凶と出るか――。ドジャースは18日(日本時間19日)、敵地で行われたメッツとのリーグ優勝決定シリーズ第5戦に6-12で大敗した。先発のジャック・フラハティ投手が3回8安打8失点と大誤算。最終的に12失点を喫した一方で、起用したのは3投手のみだった。

 フラハティの異変は序盤から明らかだった。初回1死一、二塁でアロンソに3ランを浴び先制点を献上。1点を返した2回も先頭のアルバレスに二塁打を浴びピンチを招いた。そこから3人を抑え無失点に凌いだものの、いずれの打者も大きな外野へのフライ。結果的に3回の大量失点を招いた。

 この日の最速は93.9マイル(約151.1キロ)でフォーシームの平均球速は91.4マイル(約147.1キロ)。これはシーズン平均より1.9マイル(約3.1キロ)ほど下回っており、他の球種のほとんども平均を下回っていた。

 デーブ・ロバーツ監督も異変には気づいていた。原因不明としながら「明らかにキレがなかった」と振り返った。それでも2日前にベン・カスパリウス、前日にエドガルド・ヘンリケス両投手らを起用していたこともあり「何個かアウトを稼ごうとした」と3回終了まで投げさせた理由を明かした。

 そして、4回からはブレント・ハニーウェル投手を8回2死まで引っ張った。4回からドジャースは5点を奪い反撃の狼煙を上げたが、結果的にハニーウェルが4失点し、点差は縮まらなかった。

早々に決めた救援温存「信念を持ち続けないといけない」

 前日17日(同18日)には5回途中からエバン・フィリップス、7回にブレイク・トライネン投手をつぎ込んだ。一方で、この日は2人に加えマイケル・コペック投手ら“中継ぎエース”の投手を温存し、第6戦に切り替えた形となった。

 指揮官は「5-1になった場面でハイレバレッジ(優先度の高い救援投手)を起用することはなかった」と使うつもりがなかったことを明かす。「投手の起用するときは、信念を持ち続けないといけない。なぜなら、シリーズ7戦で4勝を挙げないといけないからだ」と迷いはなかった。

 指揮官の言う通り、ドジャースは残り2試合で1勝をすればワールドシリーズ進出が決まる。リリーフエースを投入していれば……と仮定したところでスポーツに“たられば”はない。21日(同22日)に本拠地に戻って行われる第6戦はブルペンデー。休養たっぷりの“ハイレバレッジ”たちが好投すれば、この日の“捨て試合”が名采配に変わる。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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