大谷翔平獲り失敗→不良債権化した大砲 NY紙が手のひら返し、ヤ軍480億円男が覆した評価

ヤンキースのジャンカルロ・スタントン【写真:ロイター】
ヤンキースのジャンカルロ・スタントン【写真:ロイター】

ア・リーグ優勝決定シリーズMVPとなったスタントン

 ヤンキースのジャンカルロ・スタントン外野手は、ガーディアンズとのリーグ優勝決定シリーズで4本塁打を放つ活躍を見せ、シリーズMVPに輝いた。高額の契約を結ぶ中で、移籍後はシーズンの成績は下降していたが、大舞台で大活躍。地元紙も“手のひら返し”で称賛した。

 地元紙「ニューヨーク・ポスト」のジョエル・シャーマン記者は、2日連続でスタントンの活躍に注目する記事を執筆。チームは2017年にア・リーグ優勝決定シリーズでアストロズに敗れ、「オオタニを海外から獲得することを中心にオフシーズンのプランを立てた」と回顧。しかし獲得することはできず、2014年オフにマーリンズと結んだ13年総額3億2500万ドル(約480億円)の契約が残るスタントンの獲得に踏み切った。

「その時のアイデアは、ジャッジとスタントンを組ませるツインタワーオフェンスを形成し、チャンピオンシップを獲得することだった。しかしながら、スタントンにとってレギュラシーズンは浮き沈みと怪我に満ちたものになっている」と指摘。そして2020年2月に同紙は、大谷の代わりに獲得したスタントンの活躍について「(スタントン獲得の)この決断は改善を妨げている」と酷評していた。

 移籍1年目の2018年は38本塁打を放ち、その後も負傷していない時期は安定して本塁打を放っていた。しかし、2022年には打率が.211に落ち込み、デビュー後初めてOPSは0.7台に。昨季は打率.191、OPS.695に低迷し、地元メディアから厳しい声もあがった。また、近年は怪我をかばって全力疾走できずアウトになる場面も目立っていた。その一方で大谷は、メジャーキャリア7年目となり、肘の手術などを経験しながらもMVPを2度獲得し、今やメジャーの中でもスーパースターの座にまで登り詰めた。

 そしてスタントンは復活を期した今季、114試合に出場し、27本塁打72打点、打率.233、OPS.733と復調。チームの地区優勝に貢献し、2020年に続いてポストシーズンで結果を残した。シャーマン記者は「スタントンはポストシーズンにおいて素晴らしい活躍をする選手へと変わった。ヤンキースファンが彼の怪我やスランプ、(怪我をしないように体を)かばうような走塁を思い出さないような状況を、スタントンは増々作り上げている。彼は歴史的な10月のレジュメを構築している」として、リーグ優勝決定シリーズでMVPに輝く活躍を称賛した。

 ワールドシリーズでは、大谷を擁するドジャースと対戦することが決まった。勢いに乗るスタントンは、初のワールドシリーズでどのような活躍を見せるだろうか。

(Full-Count編集部)

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