華麗な歴史が生んだ衝撃の“苦悩” 埋まったプレイリスト、変えたかった「声の向き」

「BsGravity」のKOTARO【写真:北野正樹】
「BsGravity」のKOTARO【写真:北野正樹】

「BsGravity」連載…第13回は「KOTARO」

 オリックスの球団公式ダンス&ヴォーカルユニットは結成11年目を迎える。今季は新たな“挑戦”をスタートさせ、「BsGravity(ビーズグラビティ)」として躍動。メンバーは「BsGirls」9人と「BsGuys」5人の男女混成14人でスタジアムを熱く沸かせた。第13回はサブリーダーでパフォーマーを務める「KOTARO」に話を聞いた。

 加入1年目からサブリーダーに任命されただけに、周囲の流れを見ることを優先した。「最初は本当に右も左もわからずに入ったので。先輩方がすごく優しくしてくれて感謝しかありません。今はとても仲良くて、和気藹々としています。しっかりと練習にも励んで、やるところはちゃんとできていますね」。オンとオフの“ケジメ”を大切にしてきた。

 加入当初は「どう話しかけたらいいんだろう……? ってところから始まりましたね」と頭をかいたが「どういう風に進んでいくのかもわからなかった状況で、みんなが僕のことを助けてくれたり(物事を)言いやすい環境にしてくれたり……。とても周りに助けられたと思っています」と明かす。

「新体制になって、すごくいろんな声があったんですけど……。BsGuysの5人で集まった時に『声の向き』を変えるには、僕らが一生懸命取り組んで、よりかっこいいパフォーマンスを見せることしかないよねと団結しました」

「両方が同時に見られるというのが、僕は魅力的だなと思っています」

 華麗な歴史があるからこそ、苦労も生まれる。「BsGirlsに10年の歴史があったので。曲数がたくさんあって……。過去の曲を今のメンバーで踊らせてもらうタイミングもあるんですけど、曲と踊りを覚えていくのが大変ではありました。歴代の曲を全部リストに入れましたね」。新たな歴史を紡ぐには、伝統を守る必要がある。

「男性にしか出せない声や力強いダンスもそうですし、女性にしか出せないセクシーさやパフォーマンスもある。その両方が同時に見られるというのが、僕は魅力的だなと思っています」

 挑戦を続けた1年で変化もあった。「男性が入ってくれて本当によかったという声を直接いただけて。とてもうれしかったですね。僕自身としては『誰よりも大きく踊る』ことを意識していて。全力パフォーマンスが自分のアピールポイントかなと思います」。笑顔の輪には、細部にまで行き届いた“声”がある。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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