ロッテ・デスパイネの言葉が示す“チーム愛”
本塁打放った試合で不敗神話継続、助っ人が振り返る「日本に来て一番うれしいホームラン」
8月7日の福岡ソフトバンク戦でのことだ。2点を追う8回に角中勝也の四球、岡田幸文の二塁打で無死二、三塁のチャンスを作り、打席にはアルフレド・デスパイネ。
次の瞬間、そこにいる全員が白球を追って夏の夜空を見上げた。そして歓喜に沸いた。バックスクリーンへと消えた打球は試合を決定付ける逆転3ラン。デスパイネは「日本に来て一番嬉しいホームランです」と喜びを爆発させた。自身が本塁打を放った試合は16連勝中。昨年からの不敗神話が今も続いている。
その言動からはチームへの愛情が窺える。今年7月、カナダ・トロントでの「パン・アメリカ大会」にキューバ代表選手として出場したデスパイネ。一時日本を離れることになったときも、ギリギリまでチームに残って戦うこと選択した。チームのためにハードスケジュールを選ぶのかと訊かれると「もちろん」と即答。いざ日本を旅立つときには「マリーンズの代表として頑張ってきます」とコメントを残し、海の向こうからも試合映像を見るなどして仲間のことを気にかけていた。
マリーンズに入団して2年目。チームメートとの関係性が、そう思わせてくれた。
「チームとして好きですし、監督やコーチだけでなく選手全員と友情関係を築けているのでプレーがしやすい。自分の仕事はホームランを打つことや打点を挙げること。でも、自分がどんなにホームランを打ってもチームが勝たなければ意味がない。常に100%の力で勝利に貢献するという気持ちです」
「日本に来て一番うれしいホームラン」と話したあの逆転打は、劣勢だったチームに勝利を呼び込む一発だった。仲間と、ファンと、喜びを分かち合えた。それが何よりも嬉しかった。