待ち続けた3時間30分…清原正吾が突きつけられた現実 ため息が象徴する“異例の注目”
慶大・堀井監督が挨拶「先のことはまだ何も決まっていない」
「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が24日、都内で開催された。指名を待った清原和博氏の長男・清原正吾内野手(慶大)だったが、吉報は届かなかった。会見場には姿を現さず、テレビカメラ9台、報道陣約60人が集結した会見場はため息に包まれた。
午後8時28分、最後まで育成指名を続けていたソフトバンクが「選択終了」。それは同時に、清原の指名漏れを意味するアナウンスだった。決して上位候補とはいえないが、日吉キャンパス内の会見場には多くの報道陣が集結。それほどまでに、注目を集めた存在だった。しかし会見場の空気は徐々に重くなり、会議終了と同時に「あぁ~」といった声が次々に漏れた。
清原らは別室でドラフトを見守っており、指名があれば会見場にやってくる予定だった。そのため、この日の対応はなし。慶大野球部の堀井哲也監督が「ご承知の通り、本日のドラフトで指名がかないませんでした。本人もその現実を受け止めて、今日は皆さまの前で本人がご挨拶することはありませんので私が代わりに、そういう状況と、皆さまへの御礼とお疲れさまでしたということで一言ご挨拶をさせていただきました」と厳しい表情で話しただけだった。
“清原ジュニア”として否が応でも集まる注目。中学ではバレーボール部、高校ではアメリカンフットボールに所属した特異な経歴を持ち、大学進学後に初めて本格的に硬式野球へ取り組んだ。今春のリーグ戦から4番に定着し、今秋は2本塁打を放って潜在能力の高さと恐るべき成長曲線を見せつけたが、大卒野手としての評価はこれが現実だった。
堀井監督は「本人の今後のことであるとか、今の気持ち、まだシーズン中ということもありまして、まずはリーグ戦に集中したいということをかねがね申していました。そしてその先のことはまだ何も決まっていないということを申しておりました。これは正式な話というよりも雑談の中の話ですので、現状そのようにご理解いただければと思います」と清原の思いを伝えた。直後に会見のために用意された机や椅子は一気に撤去され、虚しさだけが残った。
憧れの父と同じ舞台へのスタートラインには立てなかった清原。11月9、10日には、大学野球の“集大成”となる早慶戦が控えている。
(町田利衣 / Rie Machida)