イチロー氏の言葉が「悔しかった」 高校生に告げた“現実”「眼中にないと」
大阪の公立・大冠高で指導…目標は「強豪私立を倒す」
マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏が、9日から2日間にわたり大阪・大冠高で野球部員たちを指導した。強豪ひしめく大阪で上位を目指す選手たちには“現実”を説く場面も。主将は「悔しかったが、刺激的な2日間だった」と振り返った。
同校は公立校ながら2017年には夏の大阪大会で決勝に進出。大阪桐蔭高に8-10で敗れたものの、激闘を演じた。翌2018年も8強に進出。2023年も同大会で16強入りした。
2018年は東海大仰星、昨年は大阪桐蔭と強豪私立の前に屈してきた。チームの目標は「強豪私立を倒す」。その本気度を厳しい目で見てみたいという思いでイチロー氏は訪問を決めた。
初日、グラウンドを訪れたイチロー氏は「大阪の状況を見ると、大阪桐蔭と履正社の2強なんだろうと。強烈に意識しているよね? 一方で相手がどう思っているか考えてほしいんだよね。彼らはどう思っているか、考えたことある? 僕は愛工大名電で野球をやっていて、愛知4強と言われて。この立場からするとベスト16のチーム、眼中にないです。意識もしていない。相手は相手と思っていない、そこに挑むんだよ」と話した。
「強豪校は強豪校としかやっていない。自分たちがうまくなるレベルのチームと試合をしている。だから(強豪と)差が開いていく。その壁は相当厚い。初めましてでここまで厳しいことを言うのは初めてです」とあいさつした。
2日間の練習を終え、イチロー氏は「これまでは(大冠高校を)知らなかった。これからはしっかりフォローさせてもらいます。僕に見られていると思って。そういう気持ちで頑張って」とエールを送った。
加藤日向主将は「強豪私学からは、僕らは『眼中にない』と思われているんだということも知ることができた。悔しかったが、刺激的な2日間だった」とコメント。「来年の夏、成長した姿を見せることが恩返しになると思うので、本気で甲子園をめざして頑張りたいです」と奮起を誓った。
(Full-Count編集部)