なぜ清宮幸太郎に左の代打? DH起用も…井端監督の即断のワケ「打席で暴れている」
逆転した5回2死一、二塁、井端監督は清宮に代打・佐野を送った
野球日本代表「侍ジャパン」は15日、「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」のオープニングラウンド、グループB・韓国戦で逆転勝ちし、初戦から2連勝発進した。井端弘和監督が厳しいタクトを見せた。
牧の逆転2点打で勝ち越した直後、5回2死一、二塁だった。マウンドには4番手右腕イ・ヨンハ。井端監督はDHの清宮幸太郎に対し、同じ左打者の佐野恵太を送った。なぜか。試合後、井端監督は「ちょっと本来の打撃じゃないな。打席の中で暴れている。打席の中でボールを追っかけているというか」と言及した。
清宮は13日の豪州戦で4打数1安打。一方、佐野は大会初打席だった。5回の好機で二ゴロ、7回2死二塁は空振り三振に倒れたが、指揮官は佐野の打席内容を評価した。「佐野を1打席も立たせてなかった。初球から振れているのを確認できたのは大きいなと思います」。レギュラーシーズンの得点圏打率は清宮が.394で、佐野は.298。こんなデータよりも、指揮官は“今”を見たようだ。
3番・辰己は2戦無安打も「明日も変わらずに使おうと思います」
3番の辰己涼介は3打数無安打だったオーストラリア戦に続き、4打数無安打に終わった。それでも、5回2死の四球で逆転劇を演出。リーグ最多安打に輝いた27歳への、井端監督の高い評価は変わらない。
「チームは勝っているので。彼も初めて。ヒットは出てないですけど、明日も変わらずに使おうと思います。こういうことは絶対にある。代えるのは簡単ですけど、彼本来の打撃、ポテンシャルはあると思いますので。明日は打ってくれると思っています」と信頼を口にした。
WBC世界一奪回メンバーでスタメンに入っているのは6番の牧のみ。チームの成長なくしてプレミア12連覇は望めない。井端監督は“アメとムチ”を使い分け、チームを動かしていく。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)