日本ハム上沢、7年目で自身初の10勝に笑顔 「これまで期待も裏切ってきた」
27日のオリックス戦で8回2失点の好投で10勝目を挙げた
日本ハムの上沢直之投手が27日、本拠地でのオリックス戦に先発し、8回2失点で自身初の10勝目を挙げた。今季初めて札幌ドームで上がったお立ち台。開口一番「うれしいです」と笑顔を見せた24歳右腕は「7年もかかってるので。これまで期待も裏切ってきたし、『やっとか』って思います」とホッと息をついた。
この日は直球が冴えた。3回に山崎を空振り三振に仕留めた149キロは自己最速タイ。「メチャクチャいいという感じではなかったけれど、差し込めていたので。やっぱり真っすぐを投げないと、リズムが出てこない」と充実感たっぷりに振り返った。
序盤に大量援護をもらった後は「フォアボールを出さないように、ストライクゾーンで勝負することを意識しました」と6回まで散発4安打無失点。7回に武田にソロを許し、8回に3連打で1点を失ったものの、8回8安打2失点にまとめた。
「2失点も防げたかなと思うけど、しっかり8回を投げられた。明日は堀が投げるので、ブルペンも多めかもしれないし、万全で投げてもらいたので、仕事ができて良かったです」。カード頭を任されている上沢は、責任を果たしうなずいた。
2桁はあくまで通過点だ。栗山英樹監督は「まだここから10勝してくれるはずなので。持っている力はこんなもんじゃない。大事な試合をしっかり取ってくれると信じている」と絶大な信頼を寄せる。
「えっ? 2桁初めてなの?」と驚いた吉井理人投手コーチは「実力からいくと、もっと早くいくかなと思っていた。体が弱い子だったけれど、長いイニングを投げられるようになって、いいローテションピッチャーになった」と目を細めた。
10勝はリーグ2位タイ、防御率2.43は4位。エースと言っていい活躍ぶりでチームを引っ張る上沢は「ここまで勝たせてもらっている試合もある。後半が大事。積み重ねてきたい」と、まだまだ上を目指す。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)