西川龍馬の決心…「今年みたいな成績は残せません」 苦汁を飲んだパ1年目の“反省”
オリックス・西川龍馬、移籍1年目は「基本的に全部、受け身でしたね」
“天才”も初心に戻る。昨オフに広島から国内フリーエージェント(FA)権を行使してオリックスに移籍した西川龍馬外野手が、原点回帰で本来の打撃を取り戻す。新天地で迎えたプロ9年目。巧みなバットコントロールで過去4度、打率3割以上を記録し“天才打者”と称される西川も、打率.258と思うような成績は残せなかった。
それでも試合数(138)、打席数(553)、安打(134)、二塁打(25)、打点(46)、盗塁(11)でチームトップの成績は残した。「周りのみんなも(成績が)悪かったので。ある程度、試合に出ていたのでそこは当たり前かなと」。広島から移籍1年目の成績を、自戒を込めて説明した。
自ら苦難の道を選んだ。国内FA権を取得しオリックスに活躍の場を求めたが「あまり対戦したことのないピッチャーが多く、対応がすぐできるか不安はあるが、それをプレッシャーとして感じてやりたい」と苦戦は承知だった。
今季4月末の打率は.214。新たな取り組みで結果を出すことができず、5月中旬になって広島時代の打撃に戻すことになった。「基本的に全部、受け身でしたね。もうちょっと自分から攻めていければよかったのですが、どこかで(攻めて)行きたくても行けなかった」という反省があった。
福良淳一GMの「もう少し、打席で動いてみたら」というアドバイスも心に響いた。「動けていないというか、動から動で打っていたのに、静から動になっていました。元々、そうやって打っていましたからね」と原点回帰すると、6月の月間打率は.282に上昇し、復調のきっかけをつかむことができた。
それでも、1年を通してみると不満が残る。「新しい環境というのは考えないようにしていたのですが、振り返ってみればそれも多少あったかなとは思います。全部、探りながらやっているという感覚で、基本的に今年に関しては全部、その場しのぎという感じでした」と吐露する。
10年目のシーズンに向け、どのように臨むかについてまだ答えは出ていない。「まだ終わったばかりですから、考えながらやっていきます。ただ、今年みたいな成績は残せません。チームで1番くらいの成績は、絶対に残さないといけない。そこは最低限と思って自分はやりたい」。失意の中でつかんだ収穫を糧に、ファンの期待に応えるつもりだ。
○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)