巨人山口俊のノーヒットノーランは球団16回目 1四球の準完全は13回目の快挙
東京ドームで7回目、喫した中日はNPB最多の12回目屈辱
7月27日、東京ドームの中日戦で、巨人の山口俊がノーヒットノーランを達成した。史上79人目、90回目の快挙だった。
山口俊の完封勝利は今季2回目、通算では7回目。NPBのノーヒットノーランは、2014年5月2日、西武の岸孝之(現楽天)が、ロッテ戦で記録して以来4年2か月ぶり。セ・リーグでは2013年6月28日に中日の山井大介がDeNA戦で記録して以来5年ぶりだった。山井は、奇しくも27日に山口俊が投げ合った相手だった。
巨人投手のノーヒットノーランはこれで16回目。
1936年9月25日 沢村栄治 (1回目)1-0タイガース戦 甲子園球場 ※史上初
1937年5月1日 沢村栄治 (2回目)4-0タイガース戦 洲崎球場
1937年7月3日 ヴィクトル・スタルヒン4-0イーグルス戦 洲崎球場
1939年11月3日 中尾輝三 (1回目)1-0セネタース戦 後楽園球場
1940年7月6日 沢村栄治 (3回目)4-0名古屋戦 西宮球場
1941年7月16日 中尾輝三 (2回目)3-0名古屋戦 後楽園球場
1943年5月22日 藤本英雄 (1回目)3-0名古屋戦 後楽園球場
1950年6月26日 藤本英雄 (2回目)4-0西日本戦 青森市営野球場 ※完全試合
1952年7月26日 大友工17-0松竹戦 大阪球場
1967年10月10日 堀内恒夫11-0広島戦 後楽園球場
1968年5月16日 城之内邦雄16-0大洋戦 後楽園球場
1970年5月18日 渡辺秀武2-0広島戦 後楽園球場
1976年4月16日 加藤初5-0広島戦 広島市民球場
1994年5月18日 槙原寛己6-0広島戦 福岡ドーム ※完全試合
2012年5月30日 杉内俊哉2-0楽天戦 東京ドーム
2018年7月27日 山口俊5-0中日戦 東京ドーム
巨人の通算16回は、NPB球団では最多。2位は中日の11回だ。中日がノーヒットノーランを喫するのはこれが12回目でNPB球団では最多。2位は阪神の10回だ。東京ドームでの達成は7回目。
7月27日の山口俊は7回に大島洋平を歩かせただけ。いわゆる”準完全試合”だった。四球の走者1人だけの準完全試合は、史上13回目。
1940年4月14日 浅野勝三郎(阪急)9-0タイガース戦 甲子園球場
1952年4月27日 林義一(大映)2-0阪急戦 高崎市城南野球場
1952年5月7日 真田重蔵 (2回目)(阪神)12-0広島戦 甲子園球場
1952年7月26日 大友工(巨人)17-0松竹戦 大阪球場
1955年5月10日 杉下茂(中日)1-0国鉄戦 川崎球場
1965年10月2日 外木場義郎 (1回目)(広島)2-0阪神戦 阪神甲子園球場
1973年6月16日 高橋直樹(日拓)1-0近鉄戦 後楽園球場
1990年4月25日 柴田保光(日ハム)3-0近鉄戦 東京ドーム
2002年8月1日 川上憲伸(中日)6-0巨人戦 東京ドーム
2012年5月30日 杉内俊哉(巨人)2-0楽天戦 東京ドーム
2012年10月8日 西勇輝(オリックス)3-0ソフトバンク戦 福岡Yahoo!ドーム
2014年5月2日 岸孝之(西武)2-0ロッテ戦 QVCマリンフィールド
2018年7月27日 山口俊(巨人)5-0中日戦 東京ドーム
82年に及ぶ長いNPBの歴史で79人が90回しか記録していないノーヒットノーランはまさに投手の夢であり、一度は達成したい記録だ。
NPBには300勝以上を上げた投手が金田正一(400勝)、米田哲也(350勝)、小山正明(320勝)、鈴木啓示(317勝)、別所毅彦(310勝)、スタルヒン(300勝)と6人いるが、このうち米田哲也と小山正明はノーヒットノーランを記録していない。それだけ難易度が高い記録なのだ。
巨人は坂本勇人の離脱以来不振が続き、6連敗中だったが、これを山口俊が最高の形で止めた。これが巨人の反転攻勢のきっかけになるだろうか。
(広尾晃 / Koh Hiroo)