球団から「起きといて」 移籍察した深夜の連絡…メキシコで眠れなかった“1時間”

ソフトバンク入団会見に臨んだ上茶谷大河【写真:竹村岳】
ソフトバンク入団会見に臨んだ上茶谷大河【写真:竹村岳】

現役ドラフトでDeNAから移籍…会見の第一声は「メキシコから来ました」

 ソフトバンクは12日、上茶谷大河投手の入団会見を行った。現役ドラフトでDeNAからの移籍が決まったのが9日。右腕はメキシコでウインターリーグに参加していた。移籍を知った瞬間は洗濯をしていたといい「一緒にいた通訳の人に(電話が)来て『今から話が……』っていうのを聞きました」と、舞台裏を明かした。

 明るいキャラクターが代名詞でもある28歳。会見の第一声で「メキシコから来ました」と、報道陣を笑わせた。現役ドラフトが終わり、発表されたのは午後6時ごろだった。15時間の時差があるとされ、メキシコは深夜だったそうだが「その1時間くらい前に『起きといてほしい』って言われたので、起きていました」。電話に出られるように、目を覚ましておいてほしいとお願いされた。そこで移籍を察したのだった。

「帰国日が12月9日だったので、その時点で僕も『おっ』とは思っていました。それは多分関係ないんですけど」。勝手に、スケジュールも見ながら予感を抱いていた。メキシコではツーシームやチェンジアップ、主に変化球の精度に磨きをかけてきた。「向こうだとそういうボールを投げる投手が多いので。教えてもらいながら、いいものを覚えられたかなと思います」と、手応えを掴んで日本に戻ってきた。

元チームメートの森唯斗から「やばいよ」…抱いた強い危機感

 DeNA時代、ソフトバンクでのプレー経験がある森唯斗投手とチームメートだった。移籍が決まってすぐに連絡すると「森さんからも『やばい』と言われました。『本当に頑張らないと、投げられないよ』と。危機感を持って頑張りたいです」と言葉をかけられた。今シーズンは18試合に登板して2勝2敗、防御率4.37。7年目となる来季、福岡でもう1度才能を開花させたい。

 右腕が強いこだわりを見せたのが、先発での起用だった。「未練じゃないですけど、まだ先発としてやり残したことがある。もうひと踏ん張りしたいです」。帰国に移籍、ドタバタしている現状で自主トレの具体的な日程も決められずにいるという。まずは周囲の環境を落ち着かせて、先発ローテーション争いに加わっていく。

「(移籍は)初めてのことで実感がないんですけど、チャンスだと思うので」。背番号は64番となった。パ・リーグ連覇と日本一を狙う2025年。誰よりも明るい右腕が、欠かせない存在となってチームに貢献していく。

(竹村岳 / Gaku Takemura)

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