改めて振り返る、引退を表明したヤンキースの“象徴”ジーターの功績と、松井秀喜氏との絆

ジーターの輝かしい経歴

 ヤンキースのデレク・ジーター内野手(39)が今季限りでの引退を表明した。「野球を仕事と思うようになったら終わりだ。野球にすべてを注ぎ、ほとんどの目標を達成することが出来た。悔いはない」。フェイスブックで発表された引退声明は、全米を驚かせた。

 現在のメジャーリーグを代表するスーパースターの功績は、挙げればキリがない。名門球団の象徴は数々の記録を残していた名選手であり、誰からも一目を置かれる人格者。あの松井秀喜氏(39)も、スペシャルな存在としてジーターを尊敬し、友人であることに誇りを抱いている。その輝かしい経歴を、あらためて振り返ってみたい。

 ジーターの名が全米中に知れ渡ったのは1996年。前年にメジャーデビューを果たしていた有望株は遊撃手として開幕スタメンの座をつかむと、初めてレギュラーとして1年を過ごした。

 157試合に出場し、打率3割1分4厘の好成績を残して満票で新人王を獲得。チームは18年ぶりの世界一に輝いた。ルックスも兼ね備えた“貴公子”は、低迷を続けていた名門ヤンキースの復活の象徴となった。

 ヤンキースは1998~2000年にワールドシリーズ3連覇を達成。黄金期の中心となったのが、生え抜きのジーター、マリアノ・リベラ、アンディ・ペティット、ホルヘ・ポサダ。いわゆる「コア4」と呼ばれるメンバーだ。この4人を中心に、名門球団は2009年にも世界一に輝いた。

 ジーターはメジャー通算18年で5度の世界一を経験。先日、ニューヨーク・ポスト紙が発表した「偉大なヤンキーTOP10」では、ベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグらにはかなわなかったものの、リベラの1つ上の6位にランクインしている。

「コア4」の中でも、メジャー歴代最多の652セーブを挙げたリベラと共にジーターが特別視されているのは、優れた人間性を併せ持っているからだ。生まれながらのリーダーは、自らを犠牲にしてもチームの勝利を第一に考える。

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