伝説になろうとしているマイク・トラウト
昨季の新人王は、2年目のジンクスとは無縁の活躍を見せている
「トラウトは伝説になろうとしている――」。19日付の米全国紙USAトゥデーは、エンゼルスで驚異的な活躍を続けるマイク・トラウトの特集記事を組んだ。昨年の新人王選手は2年目のジンクスとは無縁。下位に沈むチームの中で存在感を放っている。
トラウトは18日のアスレチックス戦で2ランを放ち、今季のホームランを26本まで伸ばした。1シーズンで25本塁打、30盗塁、100四球を記録したのは史上初。ここまで打率3割3分は2位で、ヒット数、得点、二塁打、三塁打、四球、出塁率、長打率はすべて5位以内で、盗塁も6位につけている。センターではゴールドグラブ級の守備も続けている。昨年のMVP投票で2位に入った22歳は、まさに伝説的な選手になろうとしているのだ。
同紙では、アスレチックスのジョシュ・レディックの「多くのピッチャーがトラウトに投げるのを怖がっている」というコメントも紹介。リーグ断トツの100四球は、その証とも言えるかもしれない。出塁率もタイガースのミゲル・カブレラに次ぐ4割3分5厘。トラウトは「僕は四球が好きだ。打てるボールが来なければ、スイングするつもりはない」と話している。4月終了時の打率が2割6分1厘に終わったときには、米国内でも「2年目のジンクスか」とささやかれたが、その声を自らのバットでねじ伏せてきた。
今季もMVP候補に挙がることは間違いない。ただ、熾烈な三冠王争いを繰り広げるカブレラとオリオールズのクリス・デービスには及ばないか。両者はチームのプレーオフ進出争いにも絡んでおり、トラウトには厳しい状況だ。エンゼルスのマイク・ソーシア監督でさえも、チームの成績はMVP投票に反映されるべきとの考えを示しているという。
もっとも、近いうちにMVPに輝く可能性は高い。昨季の驚異のルーキーは、すでにスーパースターの仲間入りを果たしている。
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