イチロー氏の“神対応”が払拭した失態 米記者が忘れぬユーモア「君は痩せないと」
MLB公式サイトの元ヤンキース番記者がイチロー氏のマル秘エピソードを紹介
2025年度の米野球殿堂入りは21日(日本時間22日)に発表される。メジャー通算3089安打を放ったイチロー氏の資格1年目の選出は確実視される中、MLB公式サイトはイチロー氏のヤンキース時代のマル秘エピソードを紹介した。
執筆したのは主に東海岸で活動するマーク・フェインサンド記者。イチロー氏の人柄に触れたのは、ヤンキース番記者だった2014年のボストン遠征だった。敵地フェンウェイパークのクラブハウスは「悪名が知れ渡るほど狭いことで有名」。イチロー氏は自身のロッカー前で、試合前のルーティン、ストレッチを開始した。その時だった。
イチロー氏の近くで他の選手を取材する予定だったフェインサンド記者は、イチロー氏の手を踏んでしまったという。安打製造機を怪我をさせてしまったのではないか。もちろん即謝罪したというが、想像するだけで背筋が凍りつきそうな出来事。イチロー氏は英語でこう切り出し、笑い出したという。
「君は痩せないといけないね」
幸いなことにイチロー氏は「無事」だった。しかも、その試合で4打数2安打と結果を出してみせた。「誤って手を踏んでしまったことで、将来の殿堂入り選手を負傷者リストへ送り込んでしまったかもしれないと怯えていたが、(不安を)打ち消してくれた」。記事からもフェインサンド記者が安堵した様子が伝わってくる。
殿堂入りが確実視されるイチロー氏だが、フェインサンド記者は楽しみにしていることがあるという。「イチローは日本語で取材に答えていたが、英語は完璧に喋ることが出来た。それどころか、米国で育った大半の人よりも、彼の英語は良かったかもしれない。殿堂入りスピーチを英語で話そうが、日本語で話そうが、私は楽しみにしている。彼のユーモアと野球に対する深い知見で忘れられないスピーチになるはずだ」。多くの球界関係者が心待ちにしているに違いない。
(Full-Count編集部)