誇り高き背番号『42』の真実とは
メジャー・リーグで1997年から永久欠番となっている42番
8年前、マーク・クルーンの表情は何とも誇らしげだった。後に日本球界を代表するクローザーになるニューヨーク州出身の剛速球ピッチャーは2005年、横浜ベイスターズ(現在の横浜DeNA)の入団会見で「アメリカではつけられない42番をつけさせてもらえて本当に光栄に思っている」とその番号への特別な思いを口にした。
その理由は自身の誕生日が4月2日ということだけではなかったに違いない。その後、男は誇りを背負い、横浜、巨人のクローザーとして、通算177セーブを記録。ファンに愛される存在となった。
今でも、日本にやってくる外国人選手、特にMLBからやってくる選手は「42」番を好んで選ぶ。日本人には不吉で語呂が悪いと敬遠されがちだが、メジャー・リーグでは1997年から永久欠番になっている番号なのだ。
現在、唯一つけているのは永久欠番と定められる前の1995年からメジャーに昇格したヤンキースのクローザー、マリアーノ・リベラだけ。そのリベラも今季で現役引退を表明しており、来年からは30球団すべてにおいて永久欠番になる。
なぜ、42番が永久欠番になったのか。その答えは、アメリカ・ミズーリ州カンザスシティーにあるニグロ・リーグ博物館に行けば分かるだろう。たくさんの黒人選手の功績の品や写真が置かれている館内には、ある偉大な男の足跡が記録されている。