佐藤輝明は「かなりの評価」…進化を示す衝撃弾 専門家が指摘した昨年との“違い”

阪神・佐藤輝、サイ・ヤング賞2度のスネルから3ラン
藤川球児新監督の下でV奪回を目指す阪神は16日、前日のカブスに続きドジャースにも快勝した。現役時代にヤクルト、阪神など4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は、好投手を攻略した打線を高く評価。中でも佐藤輝明内野手の去年までとは一味違った打撃を絶賛した。
ドジャースの先発はサイ・ヤング賞2度の左腕ブレイク・スネル投手。剛腕タイラー・グラスノー投手も登板予定とあって「試合前は本当に(継投での)ノーヒットノーランもあるんじゃないか、そうなってもしょうがないんじゃないかと思っていた」という。
実際、3回まではスネルの前に1人も走者を出せず5三振と完全に沈黙。193センチの長身から投げおろす150キロを超える直球、ブレーキの効いたカーブなどの変化球に手も足も出ない状況を「大型で、左のパワーピッチャー。凄いカーブもある。そんなタイプ(の投手)は日本にいないから簡単には打てない」と説明した。
しかし打順が一回りした4回、先頭の近本光司外野手が四球で出塁。続く中野拓夢内野手の中前打で無死一、三塁とし、佐藤輝が右翼席に3ランを放った。この場面、佐藤輝は初球の155キロ直球を空振り。カウント2-1からのカーブも空振りして追い込まれていた。そして5球目。高めの152キロ直球を今度はコンパクトなスイングでしっかり捉えた。
「去年までなら、もっと振りにいっていた。追い込まれた後にコンパクトにいって、しっかりコンタクトできている。軽打しにいって、あれだけの打球ですから、かなりの評価ができます。今やっていることをしっかり発揮して、一段(レベルが)上がっているんじゃないですか」
昨年まで主に5、6番を担ってきた左の大砲は、今季は3番での起用が見込まれている。1〜3番に並んだ左打者3人で難敵左腕を“粉砕”。野口氏は「左投手だから、左打者だからとか、どうこう言うレベル(の3人)じゃない」とし「2打席目での対応力が素晴らしい。よく攻略したなと思いますよ。タイガースとしては100%の内容。ナイスゲームですよね」と称えた。
長打力はあるが、追い込まれると簡単に三振してしまう。佐藤輝はそんなイメージが強かった。昨年まで入団から4年連続で130三振以上を記録しているが、5年目の今季は新たな打順で進化した姿を見せてくれそうだ。
(尾辻剛 / Go Otsuji)
