阪神優勝へ鍵握る1人 岩田に必要なのは「走者」ではなく「打者」との対決

波に乗り切れない岩田、その投球を左右するのは…

 大混戦となっているセ・リーグで、阪神が2位ヤクルトと0・5ゲーム差ながら首位を守っている。打線では、福留孝介、マートンの状態が良く、今成亮太、伊藤隼太もいい仕事をしている。投手陣では、3年目で藤浪晋太郎がエースと呼べる働きを見せており、メッセンジャーも安定感のある投球を続けている。

 ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏は「あとは岩田なんですよ」と優勝へ向けてキーマンの名前を挙げる。

 岩田稔は今季、23試合に登板(先発は21試合)して、7勝8敗、防御率3.48。先月27日の広島戦は7回4安打1失点ながら黒星。2日の広島戦は5回6安打5失点と乱れて2連敗を喫した。いまいち波に乗り切れていない。

 阪神時代にバッテリーを組んでいた左腕について、野口氏は「叱咤激励のような形になってしまいますけど」と前置きした上で、波に乗り切れない要因として、今年のキャンプから取り組んできた「クイック」を掲げた。

「今年の岩田はランナーが出なければいいピッチングをするけど、ランナーが出た時にクイックを速くしようとして、球が悪くなっています。スーパークイックに近いくらいの速いクイックで投げることによって、本来の彼の球じゃなくなった。真っ直ぐのキレも落ちる。スライダーの曲がりも悪い。コントロールもつかない」

 このように厳しく言い切る。野口氏は、そもそも、そこまで速いクイックに意識して取り組む必要はないと分析する。

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