防御率10.13からの逆襲 山崎颯一郎が復活宣言「これで打たれたらしゃあない」

登板3戦目で1抹消も…復活に自信
オリックスの山崎颯一郎投手が、自信を携え1軍のマウンドに帰ってきた。「僕は復活したと思っています。これで打たれたらしゃあない、そのくらい状態はめっちゃいいです」。その表情に、自信がみなぎった。
2023年に53試合に登板し、中継ぎ、抑えとしてブルペン陣を支えてリーグ3連覇に貢献した右腕も、昨季は故障で7試合登板にとどまった。秋季キャンプでは、岸田護監督や厚澤和幸投手コーチがつきっきりでフォームの修正にあたり、再起をかけた9年目のシーズンだった。
しかし、オフに様々な動画を参考にしているうちにフォームを見失い、春季キャンプでは球速が戻らないまま実戦に。開幕1軍入りしたものの、日本ハム戦(エスコンフィールド)で2-2の5回から登板し2失点。防御率10.13で、登板3戦目で1軍登録を抹消された。
ファームでは、フォークを磨くことに主眼を置いた。「真っすぐ自体はそもそもよかったですし、カットは練習していなくても投げられます。スライダーでも三振を取れていました」といい、投げる割合が少なくなっていたフォークの再調整に行きつくのは、山崎の中では自然の流れだったようだ。
三菱自動車倉敷とのプロアマ交流戦を含む6試合では、計6イニングを被安打3、8奪三振、自責点0。4月13日のソフトバンク戦(京セラドーム)の3者連続三振を含め、2度の3三振がフォークの復調を裏付けた。
山崎は4月25日に1軍昇格を果たすと、4月中に登板した2試合で2イニングを被安打1、自責点0で復活をアピールした。
厚澤和幸投手コーチは「ボールは戻ってきています。あとは、監督が名前をコールしてくれることを意気に感じて、それを結果で返してほしいですね」と完全復活に向け期待を込める。
「(これまで)特に迷ってはいませんでした。ただ打たれていただけで。こっちも自信をもって投げています。でも、勝負の世界ですから、打たれることもあります。(野球は)メンタルスポーツだと思っているんで、どれだけ結果を出して、いい波に乗れるかだけだと思います」。心技体の充実ぶりが、口調からうかがえた。
○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)