“メジャー最低”に沈む佐々木朗希 見えぬ復調気配…球速低下だけではない深刻な「10.1」

ドジャース・佐々木朗希【写真:Getty Images】
ドジャース・佐々木朗希【写真:Getty Images】

佐々木の直球は平均96.0マイルも…空振りが奪えず

 明確な課題が突きつけられた。ドジャース・佐々木朗希投手は9日(日本時間10日)、敵地ダイヤモンドバックス戦に先発するも、4.0回5安打5失点。大量援護をもらいながら降板となった。この日はメジャー移籍後初めて奪三振は「0」。日本球界を席巻した本来の姿から遠ざかっている。いったいなぜ、佐々木は苦戦しているのだろうか。

 佐々木はこの日、計61球を投じた。しかし、空振りはわずか4球。決め球スプリットでしか記録できなかった。自慢の直球は最速97.5マイル(156.9キロ)を計測したものの、平均球速は94.8マイル(約152.5キロ)に過ぎず、これまでの平均96.1マイル(約154.6キロ)から下落した。実際、球威に欠けた速球を初回に捉えられ、2被弾を喫している。

 一夜明け、取材に応じたデーブ・ロバーツ監督は球速の低下に関しては問題視していないとつつも、「球速のバラつきもある。98マイル(約157.7キロ)と制球できていない94マイル(約151.3キロ)では全く違う」「90マイル中盤の球を投げるのであれば、制球力が際立っていないといけない」とし、スピードがないならばそれに伴うコントロールが必要だと強調した。逆にいえば、佐々木には該当する制球力がないとも言える。

 佐々木はロッテ時代の2023年にはプロ野球の日本選手最速タイとなる165キロを計測。過去3年間の速球の平均球速は158.4キロ、159.1キロ、156.0キロで、いずれの年もプロ野球最速を記録した。球速が落ちたとはいえ、平均96.0マイル(約154.5キロ)はMLB公式のデータサイト「ベースボールサバント」の「パーセンタイル・ランキング」で上位21%に該当。十分に速いのは間違いない。

 しかし、ダイヤモンドバックス戦で速球が空振りゼロに終わったように、メジャー移籍後の佐々木は速球が機能していない。ここまで計299球を投じ、打者は148スイングしているが、空振りはわずか15回。スイングに対する空振り割合を示す「Whiff%」は10.1%で、200球以上ではメジャー最低に沈んでいる。

 一つ考えられる理由が回転数の少なさ。回転軸との兼ね合いはあるものの、一般的には高回転数のボールの方が空振りが奪いやすいとされているが、佐々木の場合、スピードは圧倒的な一方で平均2080回転/分は200球以上で同ワースト3位と際立っていない。

 振り返れば、オフのメジャー移籍の過程で、佐々木サイドは面談した球団に対し「昨シーズン、自身の速球の球速が落ちた理由を診断し、それが二度と起こらないようにするための計画を説明する」よう求めたとされる。ここまでの登板を考えると、まだ解決していないのかもしれない。

 果たして、本来の代名詞だった剛球の本来の球威を取り戻し、逸材たる姿をメジャーのファンの前で発揮できるだろうか。

【動画】佐々木朗希の消えた“躍動感” 160キロ台連発と比べ…米絶望「これは、うーん…」

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