初登板から続く“異変”…佐々木朗希の看過できぬ課題 右肩故障も関係ない“メジャー最低”

「Whiff%」はメジャー最低…デビュー戦も直球の空振り2回
確かに“異変”を感じる数字だった。ドジャースは13日(日本時間14日)、佐々木朗希投手を「右肩インピンジメント症候群」により負傷者リスト入り(IL)したと発表した。デーブ・ロバーツ監督によれば、佐々木が違和感を覚えていたのは「ここ数週間」に及んだという。だとすれば、“メジャー最低”に沈んでいたことも納得できる部分はある。
佐々木は前回9日(同10日)のダイヤモンドバックス戦で4.0回を投げて5失点で降板。メジャー移籍後初めて奪三振は0個に終わった。ロバーツ監督によれば、佐々木の右肩故障は「前回のアリゾナでの先発の後に気付いた」。この試合での直球の平均球速は94.8マイル(約152.5キロ)で、それまでの平均から約2キロも下降していた。
初回に2本献上した本塁打は94.2マイル(約151.6キロ)と94.8マイル(約152.5キロ)で、佐々木と思えぬ遅さだった。さらにこの日は、8先発目で初めてスプリットが直球よりも割合が上回った。佐々木自身も「ブルペンからちょっとあまり強く投げられなかった」と振り返ったように、確実に直球に威力を感じていなかったのは間違いない。
佐々木といえば、大船渡高時代に163キロを計測した剛球が代名詞だ。ロッテ時代の2023年にはプロ野球の日本選手最速タイとなる165キロを計測し、過去3年間の速球の平均球速は158.4キロ、159.1キロ、156.0キロ。毎年プロ野球の最速に君臨していた。それでも、メジャー移籍後は平均96.0マイル(約154.5キロ)にとどまり、本来の球威に陰りはあった。
東京開幕シリーズでのメジャーデビュー戦はいきなり100.5マイル(約161.7キロ)を計測し、平均も98.0マイル(約157.7キロ)。しかしこの試合で、直球での空振りはわずか2回。前回登板を除いて速球を最も多く投げ込んでいるものの、空振り数はその後2→3→2→1→0→5→0と推移。計299球投げて空振りは15回、スイングに対する空振り割合を示す「Whiff%」はメジャー最低の「10.1%」(200球以上)に沈んでいる。
直近の数登板で空振りを奪えなかった理由が、抱えていた右肩の痛みによるものなら、状態が回復したら快投が期待できるかもしれない。とはいえ、デビュー時から直球でバットの空を切ることができていなかった事実は残る。それが制球力の問題なのか、それともメジャーワースト級に沈む回転数の少なさなのか、はたまた他の要因か……。しばらくノースロー調整が続く中、解決の糸口を見つけることに期待したい。
(Full-Count編集部)