魚雷バットの恩恵と課題 古田敦也氏は導入歓迎も…捕手目線で見抜く“攻略法”

魚雷バットを使用した日本ハム・松本剛【写真:古川剛伊】
魚雷バットを使用した日本ハム・松本剛【写真:古川剛伊】

トルピードバットは「芯に当たる可能性は増える」

“魚雷バット”のメリット、デメリットは――。古田敦也氏がFull-Countの取材に応じ、話題の「トルピード(魚雷)バット」が野球界にもたらす“影響”について言及した。さらにはドジャース・大谷翔平投手の魚雷バットへの“適性”についても触れた。

 太い部分が従来のバットより真ん中に寄せてあり「重心が2センチくらい手前(グリップ寄り)にある。芯と呼ばれる7センチくらいのよく飛ぶ部分も手前に寄っています」と説明。重心が手前にある分、バットは振り抜きやすくなるため「芯に当たる確率は増える」と利点を挙げた。打者が凡打するパターンはバットの先端に当たるか、詰まらされる場合がほとんどだけに“詰まりアウト”が多い打者が魚雷バットに適しているタイプだという。

「だからといって飛ぶというのは、理屈としては合っていないんです。同じ力が加わるのであれば、テコの原理で重心が遠い方が遠心力があるので必ず遠くに飛びます。ただ、魚雷バットは振り抜きやすくてヘッドスピードが上がるから、実際には同じくらい飛ぶということなんです」

 速い球や内角球のさばきに有効とされるなか、古田氏は「年齢的に上がってきて、球に対応できなくなってきた選手が使ってもいいのかもしれないですね」という。ヤンキースの通算367本塁打を誇る37歳、ポール・ゴールドシュミット内野手が使用している例を挙げた。また、テレビ朝日「GET SPORTS」(毎週日曜深夜1時55分、関東地区)で「データと現代野球」をテーマにした回では、「このバットを使っている打者は『こいつ真っすぐを打つためにこのバット持っているんだな』と。多分、変化球攻めすると思います」と捕手目線で“魚雷攻略イメージ”も語った。

 本来は長距離砲よりもアベレージヒッター向きだという魚雷バット。ドジャースの大谷翔平投手の適性については「彼は合う、合わないじゃなくて、両方できると思います。技術が高いので」と笑った。

魚雷バットについて語る古田敦也氏【写真:小林靖】
魚雷バットについて語る古田敦也氏【写真:小林靖】

アマ野球界でも導入「話題になって欲しい」

 球界の魚雷バット導入に対しては「規定内であればどんな形状でも使えばいいと思います。かつてはタイカッブ型なんてのもありましたし、選手が合うと思えばぜひトライした方がいいと思います」と柔軟に捉えている。

 アマ野球界でも導入が認められた新兵器。高校野球でも使用選手は注目されそうだ。「従来の形とどっちの方が打てるかどうかっていうのは、長い時間をかけないと分からないと思いますし。個人差が出てくると思います。でも、野球界にとっていい話題になって欲しいと思います」。球界発展へ向けたチャレンジを歓迎している。

(Full-Count編集部)

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