ド軍の深刻な問題は「助けようがない」 専門家が問題視した“3”…危惧する終盤への影響

Dバックス戦に登板したドジャースのランドン・ナック(右)【写真:荒川祐史】
Dバックス戦に登板したドジャースのランドン・ナック(右)【写真:荒川祐史】

サイ・ヤング賞2回のスネル、昨季9勝のグラスノー、佐々木朗希が相次ぎIL入り

【MLB】Dバックス 9ー5 ドジャース(日本時間20日・ロサンゼルス)

 ドジャースは前日19日(日本時間20日)のダイヤモンドバックス戦に5-9で敗れた時点で、今季ワーストの4連敗を喫した。大きな要因は故障者続出で“野戦病院化”している投手陣。現役時代にNPB通算2038安打を放ち、MLBにも造詣が深い野球評論家・新井宏昌氏が分析する。

 打線の方は、メジャートップの17本塁打を量産中の大谷翔平投手を筆頭に、チーム打率.270、チーム本塁打80、総得点277が全てメジャートップ(総得点だけはカブスとタイ=同日終了時点、以下同)。それだけに、チーム防御率がメジャー30球団中25位の5.04(昨季は同13位の3.90)と低迷している投手陣はふがいなさが目立つ。

「先発にしてもリリーフにしても故障者が多く、やりくりが大変な状況です」。確かに先発陣では、サイ・ヤング賞2回の実績を誇り、今季からドジャースに加わったブレイク・スネル投手、昨季9勝(6敗)を挙げたタイラー・グラスノー投手、そして佐々木朗希投手が負傷者リスト(IL)入り。ブルペン陣でも、昨季のレンジャーズの守護神で鳴り物入りで入団したカービー・イエーツ投手が右太もも裏を痛め、日本時間18日からIL入りしている。

 日本時間19日のダイヤモンドバックス戦では、ジャック・ドレーヤー投手が今季3度目の先発マウンド(他にリリーフで16試合登板)に立ったが、2回3失点KO。3回から登板した2番手ランドン・ナック投手も、2ラン2発を浴びて4失点。3番手のマット・サウワー投手も8回に2ランを浴び、ズルズルと失点を重ねて5-9で敗れた。

 4連敗中、ドジャースの先発投手の投球回数は5回、4回、4回、2回で、責任投球回数をこなすのも覚束ない状況。新井氏は「コンスタントに長いイニングを投げられているのは山本由伸投手くらい。こうなるとリリーフ陣が登板過多となり、シーズン後半に悪影響を及ぼしかねません」と危惧する。

1人長いイニングをこなし続ける山本由伸、“投手・大谷”復帰にも期待

「痛いところでホームランを浴びるケースが多い」とも指摘。最近3試合は3発ずつ被弾しており、大量失点につながっている。「ヒットを打たれる分には、粘って無失点でしのぐ可能性がありますが、ポンとスタンドへ放り込まれてしまうと、ベンチもバックの守備陣も助けようがない。被本塁打が増えると、チームのムードも悪くなります」と語る。当面は1発を避ける慎重な投球が求められている。

 根本的にはやはり、離脱中の主力投手の1日も早い復帰が待たれるところ。手薄となっている先発陣の補強には、山本の好調維持に加え、佐々木の早期復帰、究極的には“投手・大谷”の復帰も期待される。日本人トリオが鍵を握っているのかもしれない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY