救援投手が9失点111球…誰も投げないド軍ブルペン 首位攻防戦で露呈「いい気分ではない」

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督【写真:Getty Images】
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督【写真:Getty Images】

パドレスに大敗を喫したドジャース…2番手サウアーは111球

【MLB】パドレス 11ー1 ドジャース(日本時間11日・サンディエゴ)

 ドジャースは10日(日本時間11日)、敵地でのパドレス戦に1-11の大敗を喫した。2回から登板したマット・サウアー投手が失点しながらも6回途中まで111球を投げ、以降はエンリケ・ヘルナンデス内野手が投げ切るという異例の展開になった。投手の怪我人が相次いでおり、大事な首位攻防戦で苦しいチーム事情が浮き彫りとなった。

 ドジャースはタイラー・グラスノー投手、ブレイク・スネル投手、佐々木朗希投手、トニー・ゴンソリン投手といった先発投手が離脱中。この日は、先発にルー・トリビーノ投手を起用し、2回からは昇格させたばかりのマット・サウアー投手をマウンドに送った。

 サウアーは3回に3点を失い、以降も失点を重ねたが、左中間にあるブルペンは一向に動かない。結局、初回に肩を作ったサウアー以外はゲームセットまで誰ひとり投球練習を行わなかった。6回に球数が100球を超えても全員が座ったままで、次は野手が登板することは想像に難くなかった。

 試合後、指揮官は「今後2日間のことも考えて、レッドラインの投手を使うのは賢明ではないと思った。サウアーを評価する。他の投手のために投げてくれた」と申し訳なさそうにコメント。6回途中という異例の早さの野手登板については「苦渋の選択だった。いい気分ではない。今日投げられる状態だったのはコペックだが、明日使えない状態にしたくなかった。明日以降の試合に勝つためだ」と説明した。

 2敗すれば首位陥落となる“ライバル”パドレスとのカード。初戦はなんとか勝利したものの、第2戦では少ない中継ぎ陣で試合を組み立てなければならないという苦しい台所事情を見せてしまった。第3戦はジャスティン・ロブレスキ投手が先発。本来ならローテーションを守っている投手を立てて勝ち越しを狙いたいところだが、それも難しい状況だ。

 一方の指揮官は「明日勝つ可能性は高いと思っている」と自信。「これがうちの投手陣の現状だ。誰が投げられて、投げられなくて、誰をどこまでひっぱれて、先発投手は誰か。(そういうことを考慮して)最善を尽くさなければならない。ここに来た時の目標はシリーズを勝ち越すことで、それができる可能性がかなりある」と話した。

 試合後のロッカーには重苦しい雰囲気が流れ、選手たちは足早に帰路についた。11日(同12日)に負ければ、一気に3位転落の可能性もある。13連戦の最終戦、王者の意地を見せたいところだ。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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