菅野智之が露呈した「脆いところ」 戸惑いと安堵、衝撃の体験「長い野球人生で初めて」

渡米後ワーストの3被弾&7失点も大量援護で4試合ぶり白星
【MLB】オリオールズ 22ー8 レイズ(日本時間28日・ボルティモア)
オリオールズの菅野智之投手は27日(日本時間28日)、本拠地で行われたレイズ戦に先発登板。2回に3本塁打を浴びるなど5回を投げて渡米後ワーストの7失点を喫したものの、味方打線が22得点を挙げる大量援護で逆転し6勝目を挙げた。乱調でも4試合ぶりの白星。「複雑ですね。でもうれしい」と心境を明かした。
「ホームランでああいうイニングを作ってしまうところが、自分自身の脆いところでもあると思います。これだけ点数を取られて勝ちがついたのは長い野球人生で初めて。メチャクチャうれしい。こういう勝ち方ができるチームだと証明できた。凄く意味のある試合になったと思います。チームに感謝したい」
初回は3者凡退と絶好の立ち上がり。しかし2回、先頭のアランダに1-0からの2球目のカットボールをバックスクリーン右に運ばれた。1死後、J・ローにはフルカウントから被弾。B・ローにも3ランを浴び、まさかの渡米後ワースト3被弾で、一挙6失点してしまった。4回にも1失点。だが味方打線が2回に4点を返すと3回にも1点を加え、5回には3点を奪って逆転した。
「逆転してなかったら続投だったし、僕もいくつもりだった」という菅野は5回86球、7失点で降板。打線は6回以降も攻撃の手を緩めず、終わってみれば22-8で6勝目をつかんだ。結果的に乱調だったのは2回の1イニングだけ。5回まで粘ったことが報われたが「そういうレベルでは納得したくない。最低でも6回3失点でまとめるのが僕の役割。もうちょっと高いレベルを目指していきます」と反省も忘れなかった。
最近の状態については「ここ数試合は課題が明白になってきている。力むことで良くない結果になっている。細かいコントロールがついていなかった」と“力み”と“コントロール”を課題に挙げる。「ストライク先行のカウントで打たれたのはほとんどない」と自ら苦しいカウントにして痛打されていると分析。この日は3回以降「ギアを下げ、出力を落としてコントロールを間違えないように意識して投げました」と立ち直った理由を説明した。
今後の修正点を問われると「自分が受け身になっているからやられる。先にストライクを取って優位な立場に持って行って、勝負はそこから」と強調。「低めのスプリットをいいところに投げても振ってくれない」と相手が研究していることを感じている右腕は「だからこそリスク覚悟で、ゾーン内に投げ込む、見逃してもストライクというところに投げ込むのが大事」と力を込めた。
チームは81試合を終えて折り返し地点を迎えた。35歳のオールドルーキーは「打たれた原因は分かっている。力みの部分はつぶせる手応えはありました。すぐに良くなることではないけど、その兆しは見えましたし、感じることができたので、後半戦につなげていければいい」と前を向いた。
(Full-Count編集部)