“二刀流男”が大谷翔平に抱く畏敬の念「彼は超特別」 見送ったHRと160km…体感した才能

ロイヤルズのカグリオーンが見た大谷翔平
今季ルーキーながらメジャーでプレーするジャック・カグリオーン内野手は、大学時代に二刀流で大活躍し、「ジャックタニ」とも呼ばれ注目を集めた。6月27日(日本時間28日)からのドジャース3連戦では、大谷翔平投手と対戦。頭上を越えていったホームラン、打席で体感した剛速球……。特別な才能を存分に体験した3連戦となった。
カグリオーンはフロリダ大で投打二刀流として活躍。同大では最多となる通算75本塁打、投げては100マイル(約161キロ)を計測するポテンシャルの持ち主だ。昨年のドラフトでは「Two-way player(二刀流)」として指名を受けた。
今季は早期のメジャー昇格を目指し、野手に専念。6月にメジャーデビューし、打率は1割台と苦しんでいるものの、辛抱強く起用されている。「今の成績は予想通りでもあるよ。外野の守備を学ぶことも楽しんでいる。打席では打つボールの選択と、いいスイングができるように取り組んでいるんだ」。
学生時代、当時エンゼルスの大谷が二刀流として大活躍していたことは、二刀流を続ける大きな“後押し”にもなった。「健康管理の方法や、投打両方をやることについて、かなり真似しようとした。僕が二刀流をやることについて、彼の影響をかなり受けたことは間違いないよ」。現在は野手に専念しているが、ピッチングについては「恋しいよ」と本音もポロり。将来的な二刀流再挑戦のために投手としての準備も行っているという。
ドジャースとのカード初戦では、大谷が先頭打者アーチ。右翼を守るカグリオーンが背走したが、頭上を悠々と越えていった。翌日には先発登板した大谷と対戦。初球は99.9マイル(約161キロ)の剛速球。スイーパーとスライダーで追い込まれ、最後は縦に落ちるスライダーで空振り三振に倒れた。
投打それぞれでメジャートップレベルの活躍を見せる大谷については「あの才能は……滅多に見られるものではない。ベーブ・ルース以外はね。僕はルースの時代には生きていなかった。彼がしていることは超特別だよ」とニコリ。メジャーの舞台に足を踏み入れ、より一層、大谷の凄みを実感している。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)