“サイン盗み”疑惑にヤ軍監督「知らない」 思わず苦笑い…米ファン物議「最悪の嘘つき」

二塁からサイン伝達…ローリー反省「把握しておくべきだった」
【MLB】ヤンキース 6ー5 マリナーズ(日本時間11日・ニューヨーク)
ヤンキースは10日(日本時間11日)、本拠地で行われたマリナーズ戦で延長10回の末にサヨナラ勝利を収めた。7回まで無安打無得点に抑えられながらも、8回に反撃し、9回は守護神を攻め立てて同点に追い付いた。もっとも、怒涛の追い上げには「球種がバレていた」裏側があったという。カル・ローリー捕手の“証言”から波紋が広がっている。
問題となったのは3-5で迎えた9回だった。マウンドにはアンドレス・ムニョス投手が上がった。2死一、二塁のピンチを作ると、ベン・ライス内野手への四球で満塁のピンチを招く。その後、オースティン・ウェルズ捕手が同点適時打を放った。実はこの時、二塁にヤンキースの選手が進むと、ムニョスがスライダーを投げる際に腕を使って合図を送っている様子が映っていた。
試合後にローリーは「(走者が)二塁にいるときは毎回、球種がバレていた」と告白。「彼ら(ヤンキース)は明らかにあまり隠す気がなかった。これも試合の一部。僕たちの責任でもある。このシリーズに入る前にそれを把握しておくべきだった。最後は本当に難しい展開になった」と、バッテリーとしてもっと警戒しておくべきだったと反省の弁を述べた。
一夜明けても反響は続いた。ヤンキースのアーロン・ブーン監督は試合前会見に登場すると、記者団から「ムニョスが登板したとき(サインを解読したと思いますが)、誰を称えるべきですか?」と“ド直球”の質問をかけられた。すると指揮官は「ムニョスの何? ああ、ムニョスがそうなの?」と大袈裟に知らないといった素振りを見せ、「知らない」「何も知らないよ! それについいては何も知らないよ!」と満面の笑みを見せていた
地元放送局「SNY」の自社X(旧ツイッター)にブーン監督の“おとぼけ会見”が投稿されると、ファンも様々な反応を寄せた。「正しい回答」「この動画を見てブーンが好きになった」「笑いをこらえるのに必死じゃん」「面白いね。ブーンが嫌いになれない理由」「ポーカーフェイスができていない」といった声の他、「最悪の嘘つき」「嘘つき。リスペクトできない」と否定的な声も。また、「このレポーターをクビにすべき」「なんでこんな質問をするんだ」と質問に苛立ちを見せるファンもいた。
もっとも、電子機器などを用いたサイン伝達は禁止されているものの、塁上からのサイン伝達は違法ではない。“正攻法”でヤンキースは勝利を勝ち取ったことになる。ちなみに、スポーツの統計分析会社「エライアス・スポーツビューロー」によると、7回までノーヒットで5点差で負けていた状態で勝利を挙げたのは、1977年6月24日(日本時間25日)のパイレーツ以来48年ぶりの珍事でもあった。