“無音”のド軍ロッカーに記された日本語 重苦しい空気に響く監督の声「勝つのは難しい」

ドジャースは2017年9月以来8年ぶりの8連敗、クラブハウスはシーンと静まり返った
【MLB】ジャイアンツ 8ー7 ドジャース(日本時間12日・サンフランシスコ)
ドジャースのクラブハウスは何とも重苦しい空気だった。聞これてくるのはシャワー室から上がってきた選手たちの足音だけ。それ以外はシーンと静まり返っていた。「今日は勝つ」。入り口付近のホワイトボードに記された日本語が、なんとも虚しく感じられた。
「勝つのは難しい。打線は良かったと思うし、守備も良かった。明日はショウヘイが投げる。自分らしい登板をしてくれることを願っている」
報道陣で“すし詰め”になった監督室にロバーツ監督の声が響いた。
大谷翔平が1点を追う3回1死三塁、日本人初の“スプラッシュ・ヒット”(ジャイアンツ106本、敵軍選手65本)となる右越え32号2ランで逆転。先発メイの大乱調で5回終了時点で6点差が開く厳しい展開だったが、6回にテオスカー・ヘルナンデスの中越え2点二塁打、コンフォートの8号2ランなどで1点差に迫った。ただ、あと1点が遠かった。
7-8で迎えた9回1死一、二塁では4番・スミスの三ゴロ併殺打でゲームセット。7連敗は2017年9月2日から同11日までに11連敗を喫して以来だ。
「終盤には勝つチャンスもあったが、惜しくも届かなかった。それでも、打線には満足している。相手先発のウェブはリーグを代表する好投手。6回で降板させ、ブルペンを引きずり出せたのは良かったと思う」
ダルビッシュ有、前田健太両投手がいた2017年も最終的にはワールドシリーズまで進出した。つまり、シーズン中の大型連敗は最終目標である世界一には、何の意味を持たない。ロバーツ監督は決して悲観することはなかった。
試合後のクラブハウス。大谷、山本らオースター戦に出場する選手たちのロッカーの上には球宴用のダッフルバックが用意されていた。だが、まだやることはある。ロバーツ監督は言った。
「私は選手たちを信頼している。どの監督も言うと思いますが、メジャーの試合で勝つのは本当に難しいことだ。打って、守って、投げて。この3つ全てが揃わなければ勝つのは難しい」
大谷は12日(同13日)に5度目の復帰マウンドに臨む大谷は2、3イニングを投げる予定だ。まずは最少失点で2番手のエメット・シーハンへつなぎたい。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)