イチロー氏、語り継がれる立場も「それは人が決めて」 米殿堂入りで明かす心境と野球の未来

MLB通算3089安打、シーズン262安打の金字塔も
アジア選手として初の米野球殿堂入りを果たしたイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が18日(日本時間19日)、オンラインで記者会見に臨んだ。今後は語り継がれる立場になることに「それは人が決めてください。そうなるかどうか、分からないからね」と語った。
まず、引退後も携わっている野球について「人間と人間が戦うスポーツなので。人間らしさというか。情熱とか気持ちを大事にしたいというか。あまり無機質にならずに、人間と人間の競技だというところを僕は大事にしたいと思っています」と自身の哲学に言及。続いて「僕たちが幸せに野球をやれているのは先輩たちの功績があったからこそ、なんですよね。歴史を踏んで、今の我々があるということを知っておかないといけないし、その感謝をやっぱり伝えたい」と心境を口にした。
現在は日本でも、高校生などアマチュア野球の指導を精力的にこなす。先人への感謝について「伝えられるかは分からないんだけど、先輩が後輩に伝えていくのは義務があると思うんですよね」と強調。また、マリナーズでの指導についても「僕は伝えたいことがあって、ここにいるのではなくて、選手から求められるならそれをしたい。そういうスタンスでいます」と語った。
27日(同28日)に米クーパーズタウンで開かれる殿堂入りの表彰式典については「僕は基本的に、人前で話す時は緊張するタイプ」とコメント。「それよりも来月の31日に日本でプレー、女子の選抜チームとの試合が決定しているので。体づくりが思うように進んでないことを心配しています」と続け、毎年恒例となっている日本での高校女子選抜との対戦を気にする、イチロー氏らしさも見せた。
1月に資格1年目で選出が決まった。全米野球協会に10年以上所属する記者による投票で決定され、メジャーで10年以上プレーした選手が引退から5年で資格を得て、全投票数の75%を集めると殿堂入りとなる。野手史上初の満票に期待されていたが、惜しくも1票足りず、99.7%での選出だった。
イチロー氏は2001年にマリナーズでメジャーデビューし、いきなり首位打者、盗塁王、MVP、新人王を獲得。同年から10年連続で打率3割、200安打を達成。2004年にはシーズン262安打の新記録を残した。メジャー通算通算3089安打を放ち、2019年に引退した。
(Full-Count編集部)