「戻るということもずっと」 青柳晃洋が明かした燕入団の経緯…阪神になかった“枠”

甲子園は「温かく迎えてくれるとは思えないですけど……」
ヤクルトに加入した青柳晃洋投手が31日、都内の球団事務所で入団会見を行った。プロ入りから昨年まで9年間所属した阪神、かつて本拠地だった甲子園……。古巣への思いを語った。
背番号99のユニホームに袖を通した青柳は「しっかり活躍することが阪神への恩返しになると思ますし、手を差し伸べてくれたスワローズへの恩返しにもなると思う」とすっきりした表情で意気込みを語った。
2015年ドラフト5位で阪神に入団。2021年から2年連続で最多勝&最高勝率のタイトルを獲得、2022年はさらに最優秀防御率も手にして投手3冠に輝くなどエースとして活躍した。昨オフ、ポスティングシステムを利用し夢だったメジャーに挑戦。しかしメジャー登板は叶わず、わずか半年で日本に帰ってくることになった。
青柳は「僕は2Aに落ちてから1か月半くらい、ずっとMLB球団を探していてなかったので、こっちの期限もありましたし、米独立やメキシコも考えていたんですけど、家族がいて僕のわがままで行かせてもらっているんでこれ以上わがままは言えないなと思って決めたのがNPB復帰でした」とNPB復帰の経緯を語る。その時点で「阪神からは(オファーは)なかったですね。僕がこっちに帰ると決めたときは枠がいっぱいだったので、そういう関係もあって」と明かした。
米国に行ってからも、古巣の戦いはチェックしていたという。「ずっと一ファンとして応援させてもらっていましたし、知っているチームなので頼もしいというかうれしく思っていましたしやはり強いなと見ていたので、それを相手にするという形になってしまったんですけどその強いチームを相手にするのは楽しみですね」。今度は敵として立ちはだかることになる。また昨季までは心強かった甲子園の大ファンが敵になることにも「温かく迎えてくれるとは思えないですけど」と苦笑いした。
「僕も知っている選手が多いですし、いい選手がいっぱいいるので、首位にいるチームでもあるので正面から対戦できる楽しさがあると思います」。まずは独走状態の虎を少しでも止めるべく、「ヤクルト・青柳」が動き出す。
(町田利衣 / Rie Machida)