ヤンキース・田中将大がオープン戦初先発で強烈な印象を残す
ストレートがベース近くでホップする!
ヤンキース田中将大投手(25)がメジャー初先発となった6日のフィリーズとのオープン戦で3イニングを投げ、2安打、1本塁打、1三振の1失点とまずまずの内容で終えた。大雨と竜巻警報という悪天候の影響で試合開始が90分遅れるアクシデントに見舞われ、本調子に見えなかったが、フィリーズの主力に強烈なインパクトを残したようだ。ESPNが報じた。試合は4-3でヤンキースが勝利し、田中には勝敗はつかなかった。
1回は順調な滑り出しだった。速球は90マイル以上を記録し、投げた11球のうちストライクは8球。過去5度オールスター出場記録を持つ名手、3番打者のチェイス・アトリー二塁手を三振に打ち取った決め球、スプリットは2度目の対戦となった相手のため息を誘った。
「彼のスプリットは(メジャーでも)計算できる武器になるだろうね」
フィリーズの主砲、ライアン・ハワード一塁手はこう語ったという。
2回には1死の後、マーロン・バード外野手に2塁打を打たれたが、その後のピンチは巧みに切り抜けた。「彼の速球は爆発的だ。最初は低めに入ってくる。そのまま低めのはずが、ストライクになっている」とバードは証言。速球がベース近くでホップするような強烈なイメージを打者に植え付けたようだ。
田中は3回で41球を投げ、ストライク率は約60%となる25球だった。3回に相手のリードオフマン、フレディ・ガルビスにメジャー初ホームランを浴びたが、MLB公式ホームページの速報でも「TANAKA STRONG」との見出しが躍り、エースの投球の力強さが世界に報じられていた。
MLB公式ホームページでは、ジョー・ジラルディ監督はこう語っている。
「自分のピッチングに対する感触は私よりも彼が分かっているはずだろう。彼の投球を見れば、正しい方向に進んでいることは間違いない。ピッチャーにはそれぞれ流れがあるので、今日は雨で試合開始が遅れることで混乱もあったかもしれない。試合が行われるかも分からなかったしね」
田中自身は地元メディアに「今日はマウンドで絶好調というわけではなかったけど、結果を含めて全体的には及第点だったのでは」と語ったという。注目の初先発。図らずも悪天候とホームランという2つの洗礼を経験したマー君はライバル打者に強烈な印象を残し、大きな経験値を積むことに成功したようだ。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count