イチロー氏、米殿堂入り式典で19分英語スピーチ「出会うことない感情」 ジョーク連発、妻に感謝

マリナーズ会長付き特別インストラクターを務めるイチロー氏【写真:アフロ】
マリナーズ会長付き特別インストラクターを務めるイチロー氏【写真:アフロ】

日本人初となる米野球殿堂入り

 メジャー通算3089安打を放ち、アジア選手として初の米野球殿堂入りを果たしたイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が27日(日本時間28日)、ニューヨーク州クーパーズタウンで表彰式典に出席し、スピーチを行った。「ありがとう。もう出会うことはない感情を今日は感じています」と、約19分間英語でスピーチした。

 悪天候のため当初より1時間遅れて現地時間午後2時30分から始まったセレモニーは、過去の殿堂入り選手が次々と登場。最後に今回殿堂入りしたCC・サバシア氏、ビリー・ワグナー氏、そしてイチロー氏が紹介された。イチロー氏はネイビーのスーツで登場。場内のファンからは歓声があがり、イチローコールも起こった。

 スピーチはワグナー氏が最初に行い、その後は時代委員会で選出されたデーブ・パーカー氏の息子であるデーブ・パーカー2世、ディック・アレン氏の妻ウィラさん、サバシア氏の順番で登場し、イチロー氏が最後のスピーチだった。

 イチロー氏は冒頭で、「ありがとう。もう出会うことはない感情を今日は感じています」と感謝。その後はオリックス、マリナーズ、マーリンズ時代を振り返った。殿堂入りは1票足りず満票を逃したが、その記者に対しては「記者に私の家でディナーを一緒に食べることをオファーしていたのですが、もう期限切れになってしまいました!」と話し、場内を盛り上げた。

 最後には、会場で見つめる弓子夫人にも感謝した。「私を支えること、そして励ますことに彼女は全てのエネルギーを注いでくれました。シアトルでの19シーズン、そしてニューヨーク、マイアミで、彼女は、家庭がいつもハッピーでポジティブ(な雰囲気)になるようにしてくれました」と話した。

 また、19分間の会見の中では日本人メジャーリーガーのパイオニアである野茂英雄氏に言及し、「野茂さん、ありがとうございました」と日本語で感謝を伝えた。厳かな雰囲気の会場は、イチロー氏のジョーク連発で盛り上がっていた。

 前日に会見を行っていたイチロー氏は「とにかくスピーチのプレッシャーで押しつぶされそうで、エラいことになってます」と苦笑い。「もちろん緊張していますし、スピーチの準備、本当はしなきゃいけないんですけど、今日の朝もフィールドに行って、ロングトス(遠投)して、走って、バット振って、まあ、そっちの方が大事なんですよね」と話していた。

【実際の画像】「すげえええ」殿堂博物館が公開したイチロー氏の記念プレート

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