QS13度でも3勝…向き合う我慢の夏「悔しいです」 宮城大弥からこぼれた“本音”

後半戦で見せるエースとしての矜持
オリックスの宮城大弥投手が、我慢の夏を送っている。先発の仕事を果たしているが、約2か月間白星から見放され、後半戦に巻き返しを誓っている。
「もっと勝ちたかったですね。3勝(3敗)で“貯金”もないですし。できれば勝ち星先行で行きたかったです」。宮城が悔しさをあらわにした。
球宴までの前半戦は、15試合に登板し3勝にとどまった。しかし、イニング数でみると9回1度、8回6度、7回2度、6回以上が5度もあり、5回持たずに降板したのは、6月21日のヤクルト戦(神宮)の1度(4回)だけ。先発投手が6回以上、自責点3以内のクオリティー・スタート(QS)は13度と、先発の役目は十分に果たしている。
それでも宮城の表情が冴えないのは、「(要所を)抑えていれば、もっと勝ってチームに貢献できた」という反省からだ。前半戦最後の登板となった7月18日のロッテ戦(ZOZOマリン)。1回、先頭の西川史礁外野手、山本大斗外野手を連続して空振り三振に仕留め、3回まで内野安打1本に抑えたが、1点リードの4回に逆転を許し、再びリードした6回にも同点打を許してしまった。
また、2試合あった失点4も大きな反省点だという。「5回で失点ゼロならまだいいんです。4回4失点や6回途中4失点は、先発としての仕事ができていません。そこは悔しいです」と宮城。
好不調のバロメーターに「打者と、単純に勝負できているかどうか」を挙げる。「調子がよければカウント2-0からでも打者をどんどん攻めて勝負ができますが、悪いと誘って打ち取りたいという気持ちが強くなります」と明かす。
試合を作っているという評価には「よければゼロに抑えられます。いいボールを(1イニング)15球投げて打ち取るのを9回まで続けるのがベスト。いかにそれに近づけるかです」。エースとしての矜持を後半戦には、試合でみせつける。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)