「嫌な思いを」高島泰都が追求する“打者の反応” 新球種で躍動…巨人右腕がヒントに

オリックス・髙島泰都【写真:小林靖】
オリックス・髙島泰都【写真:小林靖】

2年目の高島が新球・シュートに手応え

 オリックスの2年目右腕、高島泰都投手がシュートを習得し、投球の幅を広げている。「(中継ぎでも)長いイニングを求められるんで、1球で仕留めることができるボールが欲しかったんです」と新球種に手応えを感じている。

 きっかけは、厚澤和幸投手コーチの「シュートも練習しといて」の一言だった。チェンジアップを武器にしており、シュートは持ち球ではなかったが「打者の内側に食い込むボールなら、詰まらせてダブルプレーが取りやすい」とキャッチボールから練習を始めた。

 参考にしたのは、6月14日の交流戦(京セラドーム)での巨人・田中瑛斗投手の投球だった。昨年の現役ドラフトで日本ハムから移籍した右腕は、1‐1の8回無死一、二塁で登板。太田椋内野手を遊ゴロ併殺打、森友哉捕手を申告敬遠で歩かせた後、杉本裕太郎外野手を二飛に仕留めてピンチを断った。太田、杉本への各4球すべてがシュートという攻め方に、ブルペンで戦況を見詰めていた高島は目を奪われたという。

「右打者のインコースにシュートだけで攻めて抑えているのを見て、便利だなと思いました。内に食い込むボールがあれば(体と)バットとの距離を詰められるので、打者に嫌な思いをさせることができます」と高島はシュートの効果を語る。

 早々に新球を試す場面が訪れた。7月5日のロッテ戦(ほっともっと神戸)。5回から3番手として登板し、3回53球の中で1球だけ投じた。6回2死で迎えたネフタリ・ソト内野手への2球目、内角高めのボールは詰まって右前に落ちた。

 窮屈な打撃に「ヒットにはなりましたが、狙い通りのボールがいって狙い通りの結果になってくれました」と高島は振り返る。捕手の森からは「めっちゃ、いいボールだった」と言葉をかけられ、厚澤投手コーチからも「試合でどんどん使っていけばいい」と評価を受け、大いに自信を深めた。

 13日の日本ハム戦(エスコンフィールド)では、5回途中から登板し、3回1/3を1安打、無失点で試合を締めたが、シュートで右打者を詰まらせる場面が何度もあった。「打者からいい反応がもらえました。これからも試合で使って、首脳陣にアピールをしていきたい」と今後の活躍を誓った。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY