バンテリンDで衝撃の“片手弾” 中日18歳が秘める可能性…2軍監督が見た“進化”

落合英二2軍監督「長打というのは彼の魅力」
若い才能が力を発揮し始めている。中日の森駿太内野手が30日、バンテリンドームで行われたウエスタン・リーグ、阪神戦に代打で出場し4号3ランを放った。ドラ3ルーキーにとって1軍の本拠地で初となる一発だっただけに「何より嬉しい」と声を弾ませた。
今季初めてバンテリンドームで2軍戦が行われた。4点リードで迎えた6回1死一、二塁の場面に代打で登場。阪神の松原が投じた低めのカットボールを“右手一本”で捉えると打球は右翼ポール際へ飛び込んだ。
「打った瞬間、本塁打だなと思いました。片手で打った訳ではないですが、しっかり打った中で最後に片手が離れる感覚でした。バンテリンで打てたことが何より嬉しいですし、チャンスで打てた事も良かったです」
“片手弾”と錯覚させてしまうような豪快なフォロースルー。18歳は冷静に分析しつつ、手ごたえ十分の一発を喜んだ。
高校通算48本塁打を誇る大型内野手として、桐光学園から昨年ドラフト3位で入団。188センチ、93キロの恵まれた体格に加え、学業の成績も優秀。試合後のインタビューでも自分の感覚や理論をスラスラと言語化する。
「脳で送り出されたものが体に送り出される。感覚タイプではないので……自分のイメージをプレーできれば」。“行動は思考の再現”を信条に考えてプレーするタイプだ。落合英二2軍監督も「今までは、ただ来た球を打っていましたが、頭を使うようになってきたかな」と変化を実感している。さらに「ここで打てるのは大したもんだと思います。長打というのは彼の魅力」と目を細めた。
本塁打は2日の広島戦以来となった。前日29日の試合で放った安打は5日以来と、まだまだ思い描く結果は得られていない。それでも「良い意味で一喜一憂しすぎないようにしていきたい。悩むのは良いですが、考えすぎないように」。覚醒のきっかけを模索する18歳。頭は冷静に心は熱くもがき続ける。