今季も低迷のエンゼルス、いまだ見えぬ“選択” 背後にオーナーの影…米メディア疑問視

守護神ジャンセンや25HRのウォード、アデルに関心が寄せられるも…
メジャーリーグはトレード期限が31日(日本時間8月1日)となっている。各球団の明暗が分かれる中、優勝を目指す球団は補強を、逆に白旗モードのチームは選手を放出していく。そんな中、「いまだに進むべき方向性を完全には決めかねている」チームの一つとして米メディアが指摘しているのが、ア・リーグ西地区4位のエンゼルスだ。
米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は29日(同30日)、「トレード期限が迫る中、未だに進むべき方向性が定まっていないMLBの4球団」との見出しで立ち位置不明のチームを紹介。レイズ(プレーオフ進出確率19.8%)、ジャイアンツ(同20.0%)、レンジャーズ(47.6%)、そしてエンゼルス(3.9%)だ。同メディアはエンゼルスの項目で「オーナーのア-ト・モレノは何を望んでいるのか?」と疑問を投げかけている。
エンゼルスは29日(同30日)のレンジャーズ戦に勝利したものの、53勝55敗で負け越し。地区首位アストロズとは8ゲーム差、ワイルドカード3位からも4ゲーム差がついている。「ジ・アスレチック」は「よほど大きな補強を行わない限り、プレーオフ進出はおそらく無理だろう」と分析する。しかし、「エンゼルスはプロスペクトをトレードすることに乗り気でなく、モレノが年俸総額の増加に難色を示している場合ーーどちらも可能性の高いシナリオだがーーせいぜい小規模な補強しか検討してない可能性が高い」と見ている。
オーナーのモレノはこれまでも売り手に回ることを嫌っており、大谷翔平投手が在籍した2023年は逆に夏のトレードで積極的に動いたものの大失敗。連続プレーオフ逸は現メジャー最長の10年連続となっている。同メディアはエンゼルスが売り手に回れば、守護神のケンリー・ジャンセン投手が「意味のある見返りをもたらす可能性がある唯一のレンタル選手」と評価。実際、ジャンセンの古巣ドジャースが狙っているとの報道もある。
また、今季25本塁打を記録し、来季も保有できるテイラー・ウォード外野手と、2年連続で20発をクリアしたジョー・アデル外野手にも関心が寄せられている。果たして彼らを放出するのか――「ジ・アスレチック」は「たとえプレーオフ進出の可能性がわずかしかなくとも、モレノは諦めたくないのかもしれない」とし、今夏も来季以降に向けた動きをしないのでは、と見ているようだ。果たしてエンゼルスは取るべき選択は。あと数日で結果が明らかになる。
(Full-Count編集部)