首脳陣が絶賛した寺西成騎の“賢さ” 今井達也との投げ合いで発覚「投げるたびにクレバーだと」

オリックス・寺西成騎【写真:北野正樹】
オリックス・寺西成騎【写真:北野正樹】

比嘉コーチ絶賛「焦っているというところを感じさせない」

 オリックスのドラフト2位の新人で、西武・今井達也投手と投げ合い2勝目を挙げた寺西成騎投手の評価がうなぎ上りだ。

 「もう普通に、ずっとローテーションを守っているピッチャーのようなピッチングでした。相手は今井君ですからね。自信にしてほしいですね」。厚澤和幸投手コーチが、感嘆の声を挙げた。

 日体大から2024年ドラフト2位で入団。4度目の登板となった7月31日の西武戦(京セラドーム)で、寺西は6回を78球、被安打6、1奪三振1四球1失点で早くもプロ入り時に目標とした2勝目を手にした。

 危なげない立ち上がりだった。1回1死から安打を許したが、3番の渡部聖弥外野手をカットボールで二ゴロ併殺打に仕留め、以後、3回まで走者を許さず。4回に渡部、4番のタイラー・ネビン外野手に連続適時長短打を許し2点を与えたものの、終始、落ち着いた投球で自己最長の6回を投げ抜いた。

 寺西の投球について、厚澤コーチは「キャッチャーの福永(奨)と話をしながら、バッターを見てピッチングをしています。(新人なら)ゾーンに投げ込むので精一杯のはずなんですが」といい、比嘉コーチは「投げるたびにクレバーだと思いますね。めちゃくちゃ落ち着いていて、走者を出しても全然、慌てることがないし。焦っているというところを感じさせないんです」とたたえる。

 2勝目を寺西は「5回で終わらずに、自己最長の6回を投げられたところが、自分の中で一歩、また成長できたところかなと思います。一戦一戦が勝負だと思って、次のチャンスをもらえるなら勝てるピッチングをしたい」。

 「一度、登録を抹消しますが、次からはいろんなチームに一通り投げさせたいですね。いろんな球場でも投げさせたいですし。どんな持ち味が出るのかを見たい。いいことばかりじゃないと思うんですが、それも全部、彼の経験になると思います」と厚澤コーチ。大事な試合が続く終盤に、新人離れした右腕の活躍は欠かせない。

〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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