昨年の“大差”から一転…大激戦のタイトル争い 4人のエースが散らす火花

昨年は西武・今井が187奪三振で初タイトル
8月に入り、パ・リーグの奪三振王争いが白熱してきた。8月11日終了時点で、日本ハムの伊藤大海投手がリーグ最多の138奪三振。昨季王者の西武・今井達也投手と、ソフトバンクのリバン・モイネロ投手がともに134で追う。さらにオリックスの宮城大弥投手が121と上位に迫る展開だ。
昨季は187奪三振の今井が2位の伊藤に26個差をつけて独走したが、今季は終盤まで混戦必至。今回はモイネロが先発転向した2024年以降の月別成績をもとに、直近の傾向からタイトル争いの行方を占う。
○伊藤大海
2024年は開幕戦で6回9奪三振と好発進。4月と6月は奪三振率8点台をマークした一方、5月や7月は数字が落ちる波もあった。それでも8月以降はペースを上げ、最終的に161奪三振でリーグ2位。同8.22は3年ぶりの8点台だった。2025年は4月に43奪三振(奪三振率10.46)と快調な滑り出し。5月は同6.68と落ちたが、6月以降は再び8点台を維持し、7月、8月も順調に加算。現時点でリーグ最多の138回2/3を投げ、2年連続投手2冠に続く新タイトルの可能性も高い。
○今井達也
2024年は開幕戦で7回11奪三振。7月には奪三振率11.65と圧倒的な数字を残し、最終的に同9.71で初タイトルを獲得した。2025年は4月に同9.60、5月に同10.46をマーク。6月は19回2/3で32奪三振、驚異の同14.64を記録した。7月は体調不良で数字を落としたが、8月には7回11奪三振と復調。現状の奪三振率10.25は昨季を超えており、“連覇”へ視界は良好だ。
○リバン・モイネロ
2024年は先発転向1年目で奪三振率8.56を記録。6月には11.33、防御率0.67で月間MVPも受賞した。2025年は4月に奪三振率10.02、5月は同6.83と落としたが、6月は12.60と復活。8月10日の日本ハム戦では伊藤との投げ合いを制し、13奪三振で9回完投。課題だったスタミナ面の改善も見せ、初タイトルへの期待が膨らむ。
○宮城大弥
2024年は故障離脱を挟みつつ、復帰後の7月と9月に奪三振率10点台をマーク。最終的に自己最高の8.83を記録した。2025年は開幕から4か月連続で同9.00以上。7月は同10.67と好調を維持している。8月8日に登録抹消となったが、終盤に向け状態を戻せば猛追も可能だ。
伊藤と今井は昨季、夏以降にペースを上げており、今年も有力候補。モイネロが苦手な夏場を克服できるか、宮城が得意の終盤戦で加速できるかも注目だ。4人の好投手が火花を散らす奪三振争いは、ペナント終盤まで目が離せない。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)