自分を信じる父を「嘘つきにできない」 補欠から掴んだプロ入り…GG佐藤が叶えた夢

GG佐藤氏が「Full-Count LABー探求のカケラー」で語った絆
西武やロッテなどでプレーしたGG佐藤氏(本名・佐藤隆彦氏)は法大時代は控えながらも、フィリーズ傘下1Aで3年間の武者修行を経て、2003年ドラフト7位で西武に入団した。プロ入り後は明るいキャラクターと勝負強い打撃で人気を博したが、学生時代は自分を含め誰も後のプロ入りを想像していない中、ただ一人、信じて疑わなかった人物がいたという。ポッドキャスト番組「Full-Count LABー探求のカケラー」で明かした。
「プロ野球選手になりたいと思っていたし、もちろん夢はプロ野球選手って書いていたけど、なれるとは全く思わなかったですね。だって(大学時代は)補欠ですから。でもただ一人、思っている人間がいたんですよね。一番近くに……父親なんです」
父は佐藤氏に対し「お前はこの世に生まれた最高傑作だ。必ずプロ野球選手になれる」と声をかけ続け、時には手紙にも記して思いを伝えていたという。常に言われたのは「長所を伸ばしなさい」だったという。
小学生時にテストで100点満点中10点だったとき、「すごいね。どこが正解したか教えてほしい。そこがお前の強みだから」と褒められたことを鮮明に覚えている。「欠けているところ、足りないところを見る父親じゃなかったんです。すでにあるもの、いいところしか見ない人だった」と振り返った。
法大卒業後、プロ野球選手になれなかったとき、母が父に対し「必ずなれると言っていたプロになれなかったじゃない」と言うと、父は少し怒りながら「なんで分かってくれないんだ。あいつは今からなるから一筆書いてくれ。『息子、佐藤隆彦がプロ野球選手になった際には、毎晩あなたのことを三つ指立ててお迎えいたします』と」。母は実際に文字で残し、判を押したという。
その場面を見ていた佐藤氏は「父の望みを叶えてあげたい。父親を嘘つきにはできない。この強い思いがいつも根底にあったんです」。法大卒業後、米国で3年間フィリーズの1Aでプレーし、帰国後に西武の入団テストを受けてドラフト指名を勝ち取った。
「近くにいる人が、その人の可能性を信じて、信頼して愛を注ぐと夢って叶っちゃうんですよ。言葉の力ってめちゃくちゃ大きいんですよ」。佐藤氏は父からの教えを胸に、メッセージを発信し続けている。