「打たれ慣れたんですかね」 DeNA新守護神を支える“切り替え術”…抑え1年目で20セーブ

巨人戦の9回に登板したDeNA・入江大生【写真:小林靖】
巨人戦の9回に登板したDeNA・入江大生【写真:小林靖】

DeNA入江「チームの勝利に貢献できるようにこれからも投げていきたい」

■DeNA 4ー2 巨人(24日・東京ドーム)

 DeNAの入江大生投手が24日、東京ドームで行われた巨人戦で今季20セーブ目を挙げた。連打で1点こそ失ったがリードを守り、明大の後輩にもあたる竹田祐投手にプロ2勝目をプレゼント。「1つ1つ積み上げて20セーブ目になったんですけど、失敗している試合もあるので、ひたすらチームに貢献できるようにこれからも投げていきたいと思います」と充実の汗を拭った。昨季は右肩故障のため実戦登板なしの右腕は、2年ぶりの登板から初めて抑えを任され、ここまで数字を積み上げてきた。覚醒の裏には、入江流の“切り替え術”があった。

 ドラフト1位で入団したプロ1年目は先発で4試合に登板も4敗。2年目は全て救援で57登板して5勝1敗10ホールド、防御率3.00だった。「最初はめっちゃ落ち込むタイプだったんです。1、2年目は打たれたら落ち込んで考えてしまっていましたね」。しかし、次の試合はすぐにやってくる。若かりし日に味わった苦い経験は、徐々に入江のマインドを変えていった。

「落ち込んでも、考えても、あまり変わらないじゃないですか。もちろん打たれたら悲しいし、悔しい。でもベンチに戻って応援して、試合が終わったら、もう考えないです。(帰宅のための)車に乗るときにはもう切り替えていますね。打たれ慣れたんですかね(笑)」

 今季、38試合の登板で、2試合連続失点はない。19日の広島戦(横浜)では同点の9回にモンテロに決勝2ランを浴びて敗戦投手となったが、翌20日の同戦は3点リードの9回を無失点に封じ、19セーブ目を挙げて雪辱を果たした。同じ失敗を繰り返さないことは大きな強みだ。

 本来は、自らを「気にしい」と表現するほど繊細。だからこそ、ルーティンもつくらず、ゲン担ぎもしない。「だって、何かのタイミングでできなくなったときに、めっちゃ不安要素になるじゃないですか」。球場入りの時間も決めていない。打たれても抑えても、道順は一緒。変わらない毎日を過ごすことが“心のゆとり”を生む。

「何回マウンドに立っても、3点差とかだと慣れないですよ。慣れないけど、やるしかないですからね」。背番号22は果てしないプレッシャーと戦いながら、これからも最後のマウンドを守っていく。

【実際の映像】「伸びヤバすぎ…」 DeNA守護神・入江の“爆速速球”に東京Dどよめき

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