WBCのネトフリ“独占”は「賛成」 球界OBが持論「より集中して見るようになる」

地上波中継が消滅の可能性
来春に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、米動画配信大手「ネットフリックス」が日本国内で全47試合を独占生配信することが発表され、ファンの間では議論が巻き起こっている。かつて巨人やメジャーリーグなどで活躍した高橋尚成氏は、自身のYouTubeチャンネル「高橋尚成のHISAちゃん」で、この件に言及。「デメリットはそんなにないんじゃないかな」と見解を語った。
ネットフリックスが独占契約を結んだことで、WBCが地上波で中継されなくなるという懸念がファンの間で高まっている。高橋氏は「残念ではある」としつつも「アメリカでは普通に行われていることですし、放映権だけでも10年単位で何十億というお金が動くわけですよ」と述べ、有料での配信は「時代の流れ」だと指摘した。
有料になることでライト層の野球離れが進むという見方もあるが、高橋氏は「それはないと思う。逆に注目されるんじゃないかと思います」と分析した。動画配信サービスが普及してきたことで「見たいことにお金を払うのは当然のことになる。より集中してWBCを見るようになる」と持論を展開。「こんなに素晴らしい大会なんだから、いろんなところで足並み揃えて応援してくれた方が、僕ら野球に関わった人間としては嬉しい」と述べ、独占配信には「賛成」との意見を述べた。
この件に対し、東京ドームでの1次リーグを主催する読売新聞社は、WBCの運営側が「当社を通さずに直接ネットフリックスに対し、東京プールを含む全試合について、日本国内での放送・配信権を付与しました」との声明を発表した。「今後も東京プールの主催者として、多くの方々に本大会を楽しんでいただけるよう引き続き努めてまいります」としつつも「テレビニュースでは従来どおり試合のハイライトをご覧いただけます」と説明し、地上波の中継が消える可能性を示唆している。
コロナ禍を経て6年ぶりの開催となった2023年の第5回大会は、日本ではテレビの地上波と「プライムビデオ」のネット配信で中継された。テレビ朝日の地上波では日本と米国の決勝の平均世帯視聴率が42.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、平日午前にも関わらず異例の高視聴率を記録していた。