名将が語る勝利の秘訣「指導者も楽しむべき」 全国制覇を支えた革新的メソッド

中学軟式の名将として知られた西尾弘幸氏【写真:編集部】
中学軟式の名将として知られた西尾弘幸氏【写真:編集部】

西尾弘幸氏が語った「楽しむ指導」で選手が輝く理由

 野球がうまくなりたい子どもたちに多くの選択肢を――。Full-Countでは、野球に関する練習ドリル・育成方法を紹介する動画サービス「TURNING POINT」と連動し、“明日から取り組める”練習メニューや思考法を紹介する。元プロ野球選手や強豪チームの監督らの経験が詰まった一流のメソッドが、子どもの可能性を無限大に広げる。

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 東京・江戸川区立上一色中学校の監督として、2022年の全日本少年軟式野球大会で全国制覇を成し遂げるなど、中学軟式の名将として知られる西尾弘幸氏。その指導法には、これまでの一般的な強豪チームのイメージを覆す要素が詰まっている。練習の場には、選手が「やらされている」という空気が全くない、楽しさに満ちた雰囲気が詰まっている。硬い緊張感が支配していた時期、指導法の見直しを重ねた末にたどり着いたという、伸び伸びとした空気感。その背景には、選手への尊重と、自ら指導を楽しむというシンプルだが強力な原則がある。

 毎年のように打撃力を強みに勝ち続け、現役プロ野球選手も輩出する上一色中。狭い校庭や短時間の練習を最大限に活かす「上一色メソッド」は全国規模でもその効果が注目されている。動画内で西尾氏が語るのは、全国の舞台まであと一歩に泣いた時代からの変革と、指導者としての成長の軌跡だ。

 変化の鍵は「学び続ける指導者」としての在り方にあるという。西尾氏自身、野球経験の短さから「いろんなことが新鮮に感じる」と話し、選手たちに必要な指導を見つけるのを「楽しい」と表現する。この姿勢が、選手たちの自主性を尊重する考えへとつながり、それぞれに合った方法を探る指導スタイルを作った。「指導者が楽しむことが大切。それがなければ選手たちも伸びない」と語る姿は、全ての指導者に響くものがある。

「楽しむ」ばかりが優先されるだけではない。時には叱ることも必要だが「ただ追い詰めて萎縮させることはしない」と説明している。ミスや課題に直面した選手たちに対しては、責めるのではなく、改善点を丁寧に伝え、見守る姿勢が基本だ。その柔軟性が、選手たちを自由に発想させる多彩な練習メニューにも表れており、ゲーム性を持たせた練習法で野球の本質的な楽しさを感じられるようになっている。

 さらには「指導者が変化を怖がらないこと」が大切とも説明。さまざまな考え方を積極的に吸収し、それを選手個々に試していく。その姿勢こそが、選手自身が「自分のスタイル」を作り上げていくための環境を生み出すのだ。「こだわってやるのも一つの方法だが、私はいろいろ試すほうが良いと感じている」と話す西尾氏の一言に、指導の奥深さが凝縮されている。

 変化を恐れず、指導者もモチベーションを高めながら、新しい方法に挑戦する。その積み重ねが成果を生み、チームを強くする秘訣だ。「上一色メソッド」の実践風景をぜひ動画から学び、現場に活かしてほしい。

※経歴・情報は取材時

(Full-Count編集部)

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